第四十二話 運動会前にその五
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「これまではね」
「じゃあこれからは」
「欲張ってもいい?」
里香は微笑んで景子だけでなく他の三人にも言った。
「ここはね」
「どうぞ」
「是非共ね」
「じゃあ読書の秋以外にも」
微笑みをさらに強くさせてだ、里香は四人にこう答えた。
「イベントの秋でね」
「スポーツの秋」
「運動会でそれね」
「ええ、それと」
里香はさらに欲張ることにした、今度言うことはというと。
「食欲の秋よね」
「そうそう、それそれ」
「やっぱり何といっても最初はそれよね」
「秋だからこそ一杯食べないとな」
「駄目よね」
四人もこの言葉にそれだと言って乗った。
「秋は特に食べ物が美味しいし」
「季節ものも多いしね」
「だからいつもより楽しまないとな」
「そっちもね」
「そうよね。柿も栗もあって」
里香は具体的な秋の季節ものの名前も出した。
「他には茸もあってね」
「お魚も一杯あってね」
彩夏も笑顔で語る。
「だからよね」
「そう、だからね」
「食欲の秋よね」
「最初はね」
こう笑顔で話すのだった、そうして。
里香はだ、ここでこうも言ったのだった。
「じゃあ明日のお昼はね」
「茸にするかい?」
美優は笑顔で茸料理を提案した。
「茸御飯な」
「ああ、もう出てるわね」
「季節ものでね」
琴乃と景子が美優のその言葉に応える。
「それと秋刀魚定食もね」
「出てきてるわよね」
「茸御飯とさ」
美優は二人の話を横で聞きながら彩夏にさらに言う。
「それでどうだよ」
「いいわね、それ」
茸と秋刀魚、彩夏はその二つに魅せられた。そのうえでの返事だった。
「じゃあね」
「よし、じゃあ今日のお昼はな」
「秋刀魚ね」
「それと茸な」
「それでね」
こうして五人の昼食が決まった。それで部活の休み時間にその茸御飯が主食になっている秋刀魚定食を食べた、そのうえでだった。
彩夏は御飯の中のシメジやエリンギ、椎茸等を食べながらこう四人に言った。
「流石に松茸は無理よね」
「高いからね」
彩夏の右の席にいる里香が答えてきた。
「松茸御飯はね」
「だからよね」
「学校の食堂では無理よ」
「ううん、給食ではあるけれど」
「それも年に一回だから」
つまり特別メニューだというのだ、生徒達へのサービスだというのだ。
「だからね」
「そうよね、松茸御飯だけはね」
「諦めるしかないわね」
「うちの学校の食堂でもね」
かなりのメニューを誇る八条学園の食堂でもだというのだ。尚この学園の食堂はマンモス学園だけあって幾つもある。そのそれぞれでメニューも違うので結果として種類も多いのだ。
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