第四十二話 運動会前にその三
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「普段は何も観ていないふりしてるけれどね」
「観てるからね」
「そうそう、あれでね」
「いつもね」
こう話すのだった、彼等は。
それで、女子生徒達は膝までの半ズボンだけでなく上に着ている白い体操服も見てそのうえで今度はこう話した。
「透けてないわよね」
「そうよね、ブラね」
「透けてないわよね」
「大丈夫よね」
「あれよ。上着の下にね」
琴乃は今度はアキレス腱を延ばしている、そのうえで言うのだ。
「ちゃんと薄くても着ていればね」
「ブラは透けないのね」
「それで大丈夫なのね」
「そう、いけるわ」
そうだというのだ。
「里香ちゃんに教えてもらったのよ」
「ああ、あの娘ね」
「学年トップの」
「琴乃ちゃんあの娘と同じ部活で同じグループよね」
「だからなのね」
「うん、そうなの」
それで里香に教えてもらったというのだ。琴乃はこう話す。
「それで私も今はね」
「下に着てるのね薄いの」
「ちゃんとしてるのね」
「ちょっと暑いけれどね」
そこは少し我慢しているというのだ。ブラが透けるよりはいいというのだ。
「そうしてるのよ」
「ううん、そうなのね」
「じゃあ明日からね」
「私達もね」
「下に着て」
「それでブラ対策をして」
こう話してだ、女子達はこれからのことを考えていた。まだ暑い体育の授業の中でそうした対策についても話されていた。
そしてそれだけでなくだ、部活でもだった。
琴乃は今自分が着ているジャージ、黄色のそれを見てプラネッツの四人に対してこうしたことを言ったのだった。
「暑いけれどね」
「気をつけてね」
琴乃に上着の下にもう一枚着ることをアドバイスした里香が言って来た。
「観てるからね」
「うん、そうよね」
同じ軽音楽部の男子達がだというのだ。
「ちらちらとね」
「見てるからね」
「そうよね、わかるのよね」
視線が矢となって刺さるからだ。
「男の子の視線って」
「鋭いからね」
見えない矢、まさにそれとなってだ。
「だからわかるのに」
「相手は気付かれていないと思ってるみたいだけれどね」
「じゃあね」
「ええ、今はね」
「気付かないふりをしてね」
「黙ってガード固めておきましょう」
里香は穏やかだが確実な対策を考えて琴乃達に話したのだ。
「そうしようね」
「うん、じゃあね」
「それとね」
さらに言う里香だった、今度の話題はというと。
「ゆるキャラのことだけれど」
「あっ、仮装リレーの」
「それ部長さんが顧問の先生にお話されてね」
「どうなったの?」
「先生は皆オッケーしてくれたわ」
顧問の先生といっても一人ではない、この軽音楽部では三人いるがその三人の先生全員が賛成してくれたというのだ。
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