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万華鏡
第四十二話 運動会前にその一
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                 第四十二話  運動会前に
 二学期がはじまって暫く経った、それでだった。
 学校の中も運動会に向けて徐々にであるが動きだしていた、その中で。
 琴乃にもだ、クラスメイトがこんなことを言ってきた。
「琴乃ちゃんも何か出てもらうから」
「文化系だからあまり大したのじゃないかも知れないけれどね」
「出てもらうね」
「何かの競技ね」
「わかったわ。けれど何かね」
 皆の言葉を聞いてだ、こう言った琴乃だった。
「私はあまり重要な競技は出ないのね」
「そっちは体育会系の娘が受け持ってくれるから」
「だから文化系の娘は優先順位低いから」
 八条学園は生徒は全員何処かの部活に入らなくてはならない、それで適当な部活に籍だけ置いている生徒もいるにはいる。
「文化祭の時頑張ってね」
「そうしてね」
「うん、それじゃあ」
 彼等の言葉を聞いてだ、今は頷く琴乃だった。
「文化祭の時に頑張るから」
「そうね、今はね」
「今は何に出るかはね」
「とりあえずスプーンレースとか?」
「あと借り物競争とか?」
 そういうあまり得点のないものではないかというのだ。
「そういうの?」
「そういうのに出てもらうかも」
「具体的には何に出るかはね」
「これから次第だけれど」
「そうなのね、わかったわ」
 こう話してそしてだった、琴乃はとりあえず言われた競技に出ることにした、彼女のクラスにおける運動会での役割はこんなところだった。
 女子の間でこうした話が行われそして男子はというと。
 彼等は古の話を聞いてだ、目を輝かせて話をしていた。
「昔はそうだったんだな」
「ああ、ブルマな」
「昔は皆ブルマだったんだよな」
「俺達が生まれる前はな」
 話すのはこのことだった。
「今じゃもう夢だな」
「夢の話だよな」
「ブルマなんてもうないよ」
「消え去ったよ」
「伝説だよ」
 そうしたものになっているというのだ。
「もうないか」
「エロゲとかで観るけれどな」
「あとアニメな」
「他の世界じゃな」
 本当に観なくなったとだ、嘆く彼等だった。
 そしてだ、こんなことを言う始末だった。
「半ズボンとかスパッツか」
「あとジャージな」
「そういうので我慢するしかないか?」
「それが現実か?」
 諦め、それに基づく言葉だった。
「ないものは仕方ないよな」
「北朝鮮に食物がないのと一緒でな」
 これは失政による、あの一族の。
「ブルマはないんだよ」
「もうな」
「リアルの世界にはな」
 今では漫画でもアニメでも消えていっている、無論ライトノペルの世界においてもそれは同じことである。
 それでだ、男子生徒達は嘆いて言うのだった。
「復活しねえのか?」
「流石にそれはない
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