2章 これが「異能者、無能者の会」
第十一話「仲間」
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第十一話「仲間」
僕は今、部の部屋の前にいる。過去を思い出し、改心する。
身勝手すぎた自分の行動に悔いを感じた。
そして、過去の分の悲しみも背負っている。もう僕は迷わない。自分が今あるべき姿を見せるだけだ。本来あるべき姿…それを僕はどう受け取るか…。僕は…自然、あるがままの状態を見せる。それだけだ。
ガチャリ…。
ドアノブに手を触れた時、内側から聞こえてくる音響は止んだ。急な静寂に僕はさらに緊張する。堂々と開こう。そう…それがいい。
シャイン
「…た、ただいま。」
ついに僕は一線を超えた。
その時の光景は今も覚えている。ある意味、衝撃的だった。
メル
「ごめんなさい。」
ユウタ
「すみませんでした。」
シィラ
「すみません。」
一同から返ってきた言葉は謝罪の一言だった。
僕は今にも泣きそうだ。謝罪されるような人間ではないのに…むしろ僕が謝らなければならないと言うのに…
シャイン
「すみませんでした?」
この一言に尽きた。僕が唯一できること。それだけだった。
ユウタ
「ぇ…今なんて…」
シィラ
「なんで謝るの…?悪いのは私たちなのに…」
二人は驚きと申し訳なさを混ぜ合わせたような微妙なそぶりをしていた。むしろこちらの方が複雑な心境だ。
シャイン
「いや…僕も悪かったよ。唐突に出てちまって…。」
ユウタ
「…。それより…メル、見てくださいよ。」
シャイン
「!?」
僕はその衝撃を忘れない。かつてないインパクトを感じた。今までとは考えられない。
メルは…僕の方を向いたまま、ずっと頭を下げていた。その地べたには水滴のようなものが落ちてきていた。僕は…初めて見てしまった。メルの泣顔を…。
メル
「ごめんなさい…全部私のせいよね…私が身勝手だから…」
シャイン
「それは違うよ…。それは違う…。」
僕は否定する。こんなメルを見るのは初めてだが、僕が見たかった皆の姿とは相反するものだった。改めて知る…僕のしでかした有様を…。
メル
「いえ、私が悪いの…皆に迷惑かけて、それでもまだ足りなくて…」
シャイン
「いや、いいんだ?それでいいんだ。メルはメル以外ありえない。いいんだよ。ありのままの自分で…。」
メル
「でも…それなら…」
僕はこの見苦しいような雰囲気が嫌いだってことが今思い知る。僕が望んでいたのはもっと明るく…もっと…生き生きとした部活だったはずだ…。僕は何をしている…僕は…
メル
「えいっ?」
シャイン
「ぇ!?な、何を!?」
いきなり飛びつかれ、動揺せざる負えない。さっきとは打って変わって明るく、生き生きと…ありのままを見せているような…そんな一番の笑顔を
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