三話
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リウイ軍は進軍し、各地の黄巾党をなぎ倒していった。
その戦いぶりは他の討伐軍、黄巾党に伝わり。遂に宮廷にまで名が広まった。
宮廷
「リウイとか言う者は一体何者だ、何処の素性だ」
と言った反感を持つ者らの意見が出たが、それとは反対に援護している者が圧倒的に多かった。
「リウイというのが何処の素性でも構わないではないか、賊徒を討っている事に変わりは無い」
「そうだな、役に立たない将共より漢王朝に尽くしている」
「…それはそうだが」
パイモンに篭絡された者らがリウイを援護しリウイに対しての恩賞を多く報いるべきだとの意見を述べた。
その光景を影で見ていたパイモンは、冷ややかに笑った。
「金貨を献上したくらいでここまで効くとは、何処へ行っても人間の世界は変わりませんね」
パイモンが宮廷工作をしている間、リウイは各地で快勝を挙げていた。その名声を慕い多くの有志がリウイの元に集った。
リウイは膨大になった軍を二つに分け、ファーミシルスに合成兵の軍を預け、自身は有志による義勇軍を引き連れ各地で黄巾党を討伐していった。
黄巾党の拠点
ファーミシルスの指揮の下、損害を恐れぬ合成兵の猛攻で、城内は浮き足立っていた。
「臆せず進め。この程度の砦、貴様らの障害ではない」
その苛烈な攻撃を受け、城門がこじ開けられた。
それを見たカーリアンは城内に突撃した。
「いくわよ、ファーミばかりにいいとこ盗らせないんだから」
カーリアンに引きずられる様に合成兵は後に続き、砦の陥落を成功させた。
拠点近くの荒野
「ペテレーネ、エヴリーヌ。やれ」
「うん!」
「はい!」
二人が詠唱を始め、唱え終わると雷と漆黒が周囲を包み、敵が動揺し逃げ出した。
それを見たリウイは好機と見て突撃を命じた。
「全員、突撃しろ」
「「「「おおっー」」」」
リウイの号令を受け、崩壊した敵陣にリウイの軍が突撃し、浮き足立っていた黄巾軍は次々と討ち取られていった。その中でリウイは一つ疑問を持った。
「先ほど、官軍らしき旗を見たが、あの様子だともしかしたら、こちらの攻撃でそれを救ったのかもしれんな」
リウイ軍本陣 天幕
「ここまでは好調だな」
「そうですね」
「手ごたえの無い連中ばかりでつまらないわ」
「エヴリーヌもつまんなーい」
「しかし、リウイ様の名声がこの世界でも知られています。とても喜ばしい事です」
リウイの言葉に四人がそれぞれ意見を述べた。
そこに天幕に入って来た兵が、報告した。
「リウイ様に面会したい者が来ております」
「そうか、通せ」
そして、天幕に二人の女性が入って来た。
「中郎将の董卓です。この度は面会をさせて頂きありがとうございます」
董卓の説明を聞き、リウイは疑問を持った。
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