暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第53話 足りないもの
[8/19]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
先輩として当然のことです」
「そうですか……ではっ!」
「勝負!」
そう言って両者は激突した! さっきまでの余韻が残っているためか、今度は最初から激しく攻める火織。それに対して副会長は1つ1つ確実に避け、いなし、時には隙を突いて反撃していた! すげぇ! 巡に比べたら押され気味ではあるけど、それでも火織に渡り合ってやがる。
副会長の動きはどこまでも基本の型に忠実で、堅実だった。そのため若干動きが硬いような気がするけど、それでも未だに1太刀も浴びていない。それにあの目、火織の動きを一つ一つ確実に見て動いているように思える。副会長もかなりの使い手だな。
「すごい……」
そんな姿に木場は素直に感心したように見入っていた。先ほどまでの負の感情が全面に出たような表情は和らいでいる。
「視野を……広く…………」
そう言いながら木場は火織と副会長の試合をじっと眺めていた。そんな木場に匙が
「なぁ、今更なんだけどさ……木場とエクスカリバーにはどういう関係があるんだ?」
「あ! それ私も知りたいかも!」
そう言って巡も話に加わってくる。さらに他の生徒会の面々やイリナ、ゼノヴィアまで知りたそうに木場に耳を傾けていた。
「……そうだね、少し話そうか」
そうして木場は過去について語った。教会が裏で計画した聖剣計画。そのために集められた木場を含む被験者たちと連日繰り返される非人道的な実験の数々。それでも主のためと過酷な実験に耐え、その結果待っていたのが失敗作という烙印と処分という最悪の結末。
「……皆殺されたよ。聖剣に適応できなかったというただそれだけの理由で、神に仕える者達に毒ガスを撒かれてね。床でもがき苦しみ、血反吐を吐きながらも僕らは神に救いを求めた……けど僕達に救いの手は差し伸べられなかった。そんな中比較的吸った量の少なかった僕だけが生き残った。『せめてあなただけでも』と言って抵抗して逃してくれた同志たちのおかげでね。……それでも時間が経つと共に毒は体の中を回って雪の中に倒れたよ。そして死ぬ寸前、偶然イタリアに視察に訪れていた部長に拾われたんだ」
そこまで言った木場は自分の手に握る魔剣に目を落とした。
「僕は証明しなければならない。同志たちの無念を晴らすためにも、僕がエクスカリバーよりも強いということを」
と、そこまで木場から語られたところで……
「「「うぅぅぅ……」」」
「「……ひっく」」
初めて聞いた生徒会の皆さんがすすり泣いていらっしゃる! さらにイリナやゼノヴィアまで顔を背けて涙ぐんでるよ!
「お前、そんなつらい過去があったんだな! そりゃエクスカリバーに恨みを持って当然だぜ」
「木場くん、かわいそう……」
「こんな
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ