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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter31「すれ違う想い」
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感情のこもっていない声でそう言い放ち、ゆっくりとした動作で右手をティアナへと向け、魔法陣を展開する。

「クロスファイア……」

「ああああぁぁああぁぁ!!ファントムブレ---」

「……シュート」

なのはの指先から幾筋の光のがティアナに向け放たれる。
ティアナがそれに気付いた時には、既に彼女の世界は桜色に支配され、直後、耳を塞ぎたくなる爆発音が鳴り響き、爆煙が辺りを舞う。

「ティア……!?バインド!?」

ティアナの身を案じ叫んだスバルの体に桜色のバインドが縛り上げ、身動きを封じる。

「……じっとして、よく見てなさい」

普段のなのはからは想像すらできない一切の感情を排した声。爆煙越しに見える、辛うじて立っているティアナになのはは、第二射を放とうとする。

「なのはさんっ!!」

戦意を失い、何もない目をしているティアナを撃とうとするなのはにスバルは叫ぶ事しかできない。
しかし、無慈悲にもスバルの必死の叫びは届く事なく、なのはのクロスファイアーが止まることはなかった。

誰もが、クロスファイアーがティアナに直撃する光景を想像した。

キャロやエリオは思わず目を反らす。

だが光が直撃する瞬間……

「……っ!?」

ティアナの前に金色の閃光が現れ、クロスファイアーを弾き飛ばす。
弾き飛ばされたそれは廃ビルに直撃し、廃ビルを半壊させる。

「……なんのつもりなのかな?」

金色の閃光……いや、それを行ったであろう張本人を呆然として見つめそう呟いた。

「……ルドガー君?」

腰を落とし背を向ける自分の制裁を妨害した相手---ルドガーにどういうつもりか問うが、ルドガーは応えない。

「……ルド…ガーさ…ん?」

「全く……無茶を……いや、バカをする奴だな」

もうろうとした意識の中、自分を両腕で抱えているルドガーの名を口する。
ルドガーはため息を吐き、そんな自分の生徒を見て苦笑する。

「わ、私……私は……!」

「言い訳は後でたっぷり聞いてやる。だから、とりあえず今は休め」

ルドガーの落ち着いた声色を聞いた、ティアナは緊張の糸が切れ、完全にその意識を手放す。
それでもティアナの閉じた瞳から涙が流れる。

「ティア!」

バインドに縛られながらも、ブッリッツキャリバーを巧く操って、スバルはティアナを抱えるルドガーの元まで走って来た。
ルドガーは左手でティアナを抱え、もう片方の手に骸殻を纏わせ、スバルの体に巻き付いたバインドを強引に引きちぎる。

「ルドガーさん……あの、ティアは!?」

「大丈夫だ、気を失っているだけで大事はないが、一応医務室に連れていってくれ」

右手の骸殻部を解きながら左手に抱えているティアナ
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