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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter31「すれ違う想い」
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……」
《Allright》
感情のこもっていない氷のような冷たい声が耳に届いた気がした。
しかし、構う必要などない。
もう勝利は手にしたも同然なのだから。
次の瞬間、なのはの居た場所は凄まじい爆音と爆煙に包まれる。
「なのは!!」
その光景に誰もが息を飲んだ。観戦しているビルまで届くほどの爆発の余波だ。
真ともに食らえばなのはは勿論、ティアナ達だって負傷しても可笑しくはない規模だ。
爆煙が晴れるのを待つ一同。
そして爆煙が晴れ、その中に存在する3つの影。
安堵するエリオとキャロ。
だがフェイトとヴィータの隊長格は2人は、空気を通して肌に伝わる冷たい怒りを感じ、表情を険しくしていた。
「おかしいな?……2人とも、どうしちゃったのかな?」
爆煙が晴れたそこには、なのは達がいた。
レイジングハートも防御魔法も消して、左手でスバルの拳を受け止め、右手でティアナの2つの短剣をまとめて掴んでいるなのはを目にして、当の2人の表情は凍り付いている。
そんな2人になのはは、拳と短剣を受け止めた状況のまま呟いた。
「頑張ってるのは分かるけど……模擬戦は喧嘩じゃないんだよ?練習の時だけ言うこと聞いてるふりで、本番でこんな無茶するんなら……練習の意味…ないじゃない」
二つの短剣を受け止めているなのはの手から血が滴り落ちる。
あの状況で正確に二つまとめて短剣を掴んだ点は流石というべきだろうが、今は誰もその事に気を止めることはない。
特に、坦々となのはに言葉を投げ掛けられているスバルとティアナは、もはや彼女に対して恐怖すら覚えてしまう。
「ちゃんとさ……練習どおりやろうよ?ねえ?」
「あ、あ、あの……」
スバルは今まで見た事のない憧れの人物の変わり様を目の当たりにし完全に戦意喪失してしまっている。
「私の言っていること……私の訓練……そんなに間違ってる?」
「っっ!!」
《Blade erase》
捉まれてい短剣部が消え、飛び上がり後方のウイングロードに着地し、クロスミラージュをなのはに向け構える。
「私は!もう、誰も傷つけたくないからっ!無くしたくないからぁっ!」
「ティア……!」
思いのたけ叫びながら瞳に涙を浮かべカートリッジをロードする。
味方のスバルがまだ射程内にいるのにもかかわらず。もはや誰が見ても今のティアナは錯乱しているようにしか見えない。
「だからっ!強くなりたいんですっ!!」
それは、慟哭と共に吐き出した彼女の内に秘めた想いそのもの。
涙を流しながらティアナは叫んだ。
そして、そんなティアナの強い想いを聞いたなのはは、悲しみの表情を浮かべ……
「少し……頭、冷やそうか?
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