暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第5章 契約
第74話 翼人
[13/13]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
の気を発して居ると言う事は、彼は前向きに俺の話を聞いてくれていると言う事。
 まして俺の説明が理解出来たのならば、

「それに、その方法ならば翼人たちと争う必要などなくなる」

 元々、この翼人たちとの諍い自体が、人間が自然……精霊の領域に踏み込み過ぎたから。そしてその理由が、自らが招いた自然破壊に目を瞑り、あまつさえ、その破壊を広げようとした事に始まっている。
 自らの欲望を満たす為に……。

 その事が判って居たから、事情を話す時に村長は多少の陰の気を纏って居たのですから。

「取り敢えず、今晩はこのままこの村に泊まって、明日、近場で木を伐って仕舞った場所で私と我が主の魔法を御見せ致しましょうか」

 まさか、その部分を疑って居るとは思いませんが、それでも一応、そう言って置く俺。
 それに、今晩、これから能力を示す……と言う選択肢は有りません。

 何故ならば今宵はスヴェルの夜。今までの例から言うと、何度も危険な事件に巻き込まれる事と成った夜。
 流石に、こんな夜にわざわざ外を出歩くような危険なマネは出来ませんから。

 その瞬間、それまで俺とベルナール村長のやり取りを聞き流しながら、ただ黙々と食事に勤しんでいたタバサが静かにその箸を置いた。

「それでは、騎士さまの御食事も終わった事ですし、今日はこれからゆっくりとお休みに成って、明日に備えて下さい」


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ