第5章 契約
第74話 翼人
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応を世間一般の平民の対応だと考えるのも、多少はズレを生じさせる可能性もゼロではないと言う事なのでしょう。
「その若木を一気に生育させる魔法が存在しますから、その魔法で一時を凌いで、後は徐々に植林を続けて行けば問題ないでしょう」
そうあっさり答える俺。まして、木行の俺と水行のタバサがやって来て、一番対処し易い仙術でも有ります。
これまでにも、何度も行使して来ましたから。
それに、確か地球世界のヨーロッパも、都市の建物の建築の為に多くの木材が伐採され、三圃制や四圃制の実施により多くの農地が必要に成った為に、更に森や山から木材が伐採されて行った結果、かつては多くの森林が存在していたヨーロッパから森が消えて行った、……と言う歴史が有ったはずですか。
森を聖域と考えて居たケルトの民が、キリスト教に迫害されて行くに従って、森が失われて行ったのも事実ですし。
そんな地球世界の歴史の流れと比べると、このハルケギニア世界の時間の流れはゆったりとした物なのですが、それでも、その流れに徐々に乗り始めたトコロ、と言う感じなのでしょう。
それならば、森や山の木が伐採されて尽くして取り返しが付かなくなるその前に、植林と言う考え方を教えて行っても良いはずです。
「その植林と言うのは?」
俺の思考を遮るように、そう問い掛けて来るベルナール村長。確かに、森を育てるなどと言う思想は、中世の人間には有りませんか。
「樹木と言う物は育つのに時間が掛かる物です。確かに、樹木を急速に成長させる魔法も存在しますがこれはかなり難しい魔法ですから、例えメイジだと言っても誰にでも唱えられる魔法では有りません」
知らないのなら教えてやれば良いだけ。まして、効率の良い植樹のやり方は後にダンダリオンにでも聞けばあっさりと教えて貰えますから、日本のようにスギ花粉症の患者が続出するなどと言う未来は訪れる事はないとは思いますしね。
それに、木材パルプの原料となるのは生育の早いポプラの木などが主だったはずですから、それ以外に何種類かの、この地域に生えて居る樹木を中心に植林して行けば、偏った木だけが存在する不健康な森と言う物が出来上がる事も防ぐ事が出来るはずです。
「木を伐り続けると当然のように資源が枯渇する。しかし、樹木が育つには時間が掛かる。ならば、樹木を伐って、その伐った場所に次の苗を植える。
そして、その苗を育てながら次に伐った木の場所に苗を植え育てる。
これを繰り返して行けば、資源が枯渇する事もなく山から木を伐り出し続ける事が出来ると言う事です」
俺の説明に納得したのか、しきりに首肯くベルナール村長。
そして、
「確かに、騎士様の魔法で一時を凌げるのなら、それ以後は私どもでもその方法は可能」
かなりの陽
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