第5章 契約
第74話 翼人
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に世界を形作って来たのでしょう。
心を支配し、身体も身分と言う物で支配する。
上手くやられたとは思いますが、未だ聖スリーズとして古の大地母神信仰の形が残って居るのなら、ここから巻き返す事は可能だと思いますからね。
まして、偶像崇拝を禁止しているブリミル教では、学のない庶民に取って信仰し祈りを捧げる事は難しいはずです。
何に対して祈り、願いを伝えたら良いか判り難いはずですから。
其処に、非常に判り易い形で聖スリーズの像と言う物を提供したのですから、これからのガリアはこちらの方が主と成って行くでしょう。
次の忙しくなった理由は、そのノートル=ダム聖堂の関係でガリア各地に広がりつつ有る疫病を収める作業。
聖スリーズの御告げの元、マルセイユの少女行方不明事件。実際は、湖の住人グラーキー顕現に関係する事件を解決した際に、その方便として使用したマルセイユの街の疫病騒動が沈静化すると言う事を為したが故に、他の地方にも広がりつつ有った疫病に対する対策を早急に行わなければならなくなり……。
要は、その聖人様の権能を広く知らしめる為に必要な処置と言う事なのですが……。
それで、現在では、新たに俺と契約を交わした妖精女王と大地の精霊ノーム、各地の土地神が中心と成って未だ手を掛け始めたトコロの龍脈の掌握とノートル=ダム聖堂の建設。
湖の乙女と水の精霊ウィンデーネ。そして、タバサの式神の泉の乙女を中心にして、ガリアに広まりつつ有る疫病対策を行う。
ハゲンチとハルファスはそれぞれの職能を生かして王都リュティスで物資の調達。
ダンダリオンはイザベラ王女と共に王宮の奥深くで悪巧みの最中、と言う状況と成って仕舞いました。
そして、残る俺とタバサはと言うと……。
「それで、今度の任務地。カントン・ド・サンガルのゴアルスハウゼンの村に付いて教えて貰えるかな」
俺の隣で和漢に因り綴られて書籍に視線を上下させていた少女に対して、そう尋ねた。
そう。今回は北花壇騎士団所属の騎士。00893号ことタバサと、004989号こと俺に下された任務でそのゴアルスハウゼンとか言う辺境の村に送り込まれる事と成ったのですが……。
「ガリアとゲルマニアの国境に存在する小さな村。村の直ぐ傍にライン川が流れる」
自らの手元に落としていた瞳を俺の方に向け、普段通りの小さな声で呟くようにそう答えるタバサ。
ただ、俺の感覚から言うと、現在、俺たちの乗るワイバーンの下に広がって居るのは地球世界のアルプス山脈の絶景で有る以上、その向かう先。ガリア東部に存在するヘルヴェティア地方とは地球世界のスイスの事だと思うのですが。
まして、その地方にはスイスとドイツの国境沿いに流れる河。ライン川も存在するようですし。
「
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