第百五話
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!」
「そうだそうだッ!!」
「……皆の気持ちは有りがたい。じゃが、皆には故郷があり家族があり妻があり恋人がおる。それを捨ててまで妾達と赴くと言うのか?」
『………』
「……妾達はその気持ちで感謝が一杯なのじゃ。だから我々は此処で別れなければならないのじゃ。皆の者ッ!! 今日までありがとうッ!! そしてさようならなのじゃッ!!」
「袁術様ッ!!」
「袁術様ッ!!」
「袁術様ッ!!」
美羽の最後の演説に兵達は泣き崩れた。それはかくいう、俺達もだった。そして呉の各所にて白旗が掲げられた。
美羽達は食料(約三ヶ月分)用意していた大型船に乗り込むが、俺はまだ仕事がある。
「早く沈めろッ!! 蜀軍がやってくるぞッ!!」
今まで使用していた多くの四斤山砲を海中に投棄していた。これだけは北郷に使わせてたまるかよ。
ま、それでも船には少数の砲と砲弾があるがな。
「伝令ッ!! 蜀軍が呉に突入してきますッ!!」
「ちぃッ!! 北郷も俺達に総攻撃を命令したなッ!! 海中投棄を急げッ!!」
「王双殿」
そこへ劉ソウ殿が配下を連れて現れた。
「劉ソウ殿……」
「我等が盾になりましょう。急いで投棄をして下さい」
「しかし……」
「我等は元から船に乗るつもりは有りませぬ。我等の目的は荊州を取り返す事です」
「劉ソウ殿……」
俺は手を差し出した。劉ソウ殿もそれを読み取ったのか互いに握手をした。
「……さよならは言いません。また会いましょう劉ソウ殿」
「えぇ、また会いましょう。その時は飲みましょう」
「……はいッ!!」
「王双殿……いや長門殿、皆さんと過ごした日々……とても楽しかったです…… 」
劉ソウ殿はそう言っ馬に乗り込んだ。
「荊州の友よッ!! 荊州が陥落したあの時から今まで私に付いてきてくれてありがとうッ!! 此れが最後の戦いだッ!! 気合いを入れていくぞォッ!!」
『オォォォォォーーーッ!!』
劉ソウ殿の配下の兵達が雄叫びをあげた。
「全員、我に続けェッ!! 目指すは劉備の頚ただ一つだァッ!!」
『オォォォォーーーッ!!』
劉ソウ殿はそう言って苦楽を共にしてきた荊州の兵達と共に最後の突撃を敢行した。俺は突撃を敢行する劉ソウ殿に無意識に敬礼をしていた。
それを見届けた俺は作業を急がせた。
「王双殿、私は此処までです」
「そうか……早く逃げろよ司馬懿」
「はい、また会いましょう」
「おぅ、また会おう」
司馬懿は予てから離脱宣言をしていたので其ほど問題はなかった。
司馬懿は女性兵といった格好でその場から去って行った。まぁ司馬懿の事だから上手く逃げれるだろうな。
「大砲の海中投棄完了しましたッ!!」
「よし、お前達も投降
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