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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-45託されるもの
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言いたそうなミネアが口を開く前に、トルネコが明るく声を上げる。

「さあ、さあ!マーニャさんも、無事に出られたことだし!女王さまのためにも、あまり長居はできないわ!早く、用事を済ませてしまいましょう!天空の盾と、お宝を探すわよ!」


 張り切って先を行くトルネコに続いて仲間たちも地下牢を後にし、着いてきたそうな雰囲気を醸し出す女性たちはクリフトが笑顔で牽制して追い払い、まずは天空の盾を回収する。

「さあ、ユウちゃん!装備してみてちょうだいな!」
「うん。……うん、いいみたい」

 兜の時のように光を放つことこそ無いものの、やはり盾も(あつら)えられたかのように、少女の手にしっくりと馴染んだ。

「それもやはり、ライアンには装備できないのか?」
「そうねえ。ちょっと、気になるわねえ。」
「出来るとは思えませんが。ユウ殿、少し宜しいですか?」
「うん。はい」

 少女がライアンに盾を差し出し、受け取ったライアンが構える。

「くっ……、やはり、無理、ですな」

 途端に重量を増した盾にライアンが一瞬ぐらつき、すぐに構えを解く。

「やはり、駄目なのか」
「どういう仕組みなのかしらねえ。不思議ねえ。」
「兜に続いて盾も、となると。やはり、予言と伝説は繋がっていると考えたほうがよさそうですね。天空の武器防具を身に付ける資格を持つ者は、予言の勇者であると」
「あとは、鎧と、剣を探せばいいのね」
「そうですね」
「そうね!でも、その前に!まずは、この城のお宝ね!」


さらに張り切って歩き出したトルネコは宝のにおいを辿り、あっさりと隠された地下室を見つけ出す。

「こんな目立つところにある階段の、誰も気にしない裏側の、隠し扉の先だなんてねえ。においがしなければ、あたしたちだって気付かないわねえ。」
「同じように、特技を使って探す人はいなかったのでしょうか」
「トルネコ殿が当たり前のように使われるゆえ、忘れがちじゃが。商人で、護衛も雇わず危険な道のりを、何度も歩いて移動するような者はそうはおらぬでな。修得できるほどに経験を積むことも、その後に体得することも、本来ならば容易なことでは無い。それほどの商人が、宝を探して歩き回るようなことも有るまいしの」
「あら、やだ。なんだかあたしったら、ずいぶん意地汚いみたいねえ。ちょっと節約しすぎたかしら。商人をやっていた頃も、キメラの翼はほとんど使わなかったから。」
「なんの。主婦の鑑と、誇るべきじゃて」
「あら、やだ。ものは言いようって、このことかしら。でもこんなに貴重なものがたくさんあるお城なのに、なんであの泥棒さんは、わざわざブロンズの十字架なんて盗んだのかしらねえ。」
「元々は、この地下室を探しにきたっつってたな。で、見つからねえから腹いせに、記
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