第十話 幼児期I
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んな悲しい宣言しなくても…』
「俺にはレアスキルがあるんだ。不意打ち上等。スピードも関係ない。転移してもふってやる!」
『えっとー、もういいや。いってらっしゃい』
「ふはははは。今日こそ年貢の納め時だー!」
結果:転移であらわれた瞬間、飛び蹴りを食らった
――リニスが来てから1カ月後――
「俺、お、れ……」
『ますたーもう諦めましょうよ。リニスさんはきっと産まれる星や種族を間違えた方なのですよ』
さすがに転移も効かなかったことには、落ち込んだアルヴィン。日に日に反応スピードが上がっていると感じていたが、まさか一瞬で蹴りを食らわしてくるほどの女傑だったとは。少年は自らの未熟さを痛感した。
「世界って広いな…。俺ってこんなにもちっぽけな存在だったんだ」
『そのセリフ絶対こんな場面で使うものじゃない。やめたって誰も咎めませんよ? むしろやめましょうよ』
「やだ」
『ますたー』
「だって、……家族なんだ。もふもふしたいのは本当だけど、このまま諦めたらリニスに認めてもらえなくなるかもしれないじゃん。俺はそれが、それだけはいやなんだ」
ばかでも、意地でも、譲らないとそっぽを向くマスターに、コーラルは呆れながらもこれ以上止めるつもりはなかった。自分のマスターの頑固さと意地っぱりさ、そして根性に折れたからだ。
『仕方ないですから、僕もお手伝いしますよ』
「ほんとか。何か手があるのか?」
『レッツ魔法』
すごい百面相が見られた。
「……いいだろう。俺だってな! ここまで追い詰められたらやってやろうじゃねぇか! 三角形の面積ぐらいなら俺だって解けるんだぞ!!」
『……嬉しいはずなのに、なんでこんなにも複雑なのでしょう。あと魔法が使えるまで、ものすごくゴールが長い気がするのは気のせいにしたい』
後にこのクエストが、半端ないぐらいの難易度であったとコーラルは語る。例え無理ゲーをしたとしても、あの時に比べたら……と乗り越えてしまえるぐらいのものだったらしい。
「やってやる! もふっともふっとずむずむにゃーん してやるんだ!!」
『え、何そのかけ声』
――リニスが来てから1カ月半後――
「にゃ! にゃにゃ!」
「リニス今日も元気だねー」
アリシアはソファに座りながら、リニスの修行風景を眺めている。1日の鍛錬を彼女は欠かすことなく行っている。部屋を駆け抜け、速さを磨く。猫パンチを繰り出し、鋭さを培う。
普通猫にこんな修行はいらないのだが、リニスが楽しんでやっているのがわかるため、アリシアは止めるようなことはしない。むしろどこか生き生きして取り組んでいる彼女を見て、微笑ましそうに思っていた。
「……みゃう」
アップも終わ
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