暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
38話:光へと変わる体
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だが管制人格が呟くと同時に、再び闇の書が開かれ、フェイトは光の粒子へと変わっていく。
「うあぁぁぁ!(士、ごめん…助け、られなかった…)」
頬を伝う涙がフェイトの顔から落ちた瞬間、フェイトの姿は士同様、光となって消えていった。
〈Absorption〉
「全ては…安らかな、眠りのうちに…」
唐突に暗がりだった視界が白へと変わる。これはおそらく、目の前から光が当てられたのだろう。思わず一回目の前に腕を持ってきて、目へと来る光を断つ。
そしてゆっくり、何故か重い瞼を開けると、そこには何気ない、何処にでもありそうな家のリビングがあった。
「あ、あれ…?」
先程の光は何だったのか。ここは一体何処なのか。そんな色々な疑問を含んだ呟きを漏らす俺、士。
ま、まずは状況確認だ。記憶の奥を探ってみよう。
一番最初に思い出した事柄は、俺はさっきまで闇の書の管制人格を目の前にしていた事。その次に思い出したのは、段々と光へと変わっていく自分の体。
「そうだ俺……どうなったんだ?」
だが結局その後俺はどうなったのか、そしてここは何処なのか、という疑問はわからずじまいで終わる。
次に俺は、視界に入るリビングを見渡す。何処にでもありそうな、普通の家具。テレビ、意外と大きいな……
「そうだ、トリス…」
思い出して右手首を触ってみるが、そこにはただ自分の手首があるだけ。トリスは何処にもいない。
「どうして……」
「―――どうしたの?お兄ちゃん」
「っ!?」
またしても疑問の声を漏らした瞬間、背後から不意に聞こえた声に、俺はビクッと反応する。
そして勢いよく振り向くと、そこには大体小学四年生ぐらいの女の子が、片目を擦りながら立っていた。
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