暁 〜小説投稿サイト〜
〜白と碧の翡翠〜
第2話
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「違うね!」

そう、大声で言いきってやる。

「何が違うんや!」

そう、キバオウが返してくるのは、予想通り。

「私がβテスターって事だよ!」

嘘はついて無い。ゲームなんて碌にやった事も無い人間だ。

「そんな訳無いやろが! そんなに強い奴が、βテスターじゃない訳無いやろ!
 そうや、顔、見せてみい! 顔も見せれない奴如きが!」

・・・顔は関係ないだろうけど・・・
まあ良いか。
折角だ、思いっきりやってやる。

装備変更。ローブの中の軽鎧を“萌葱装束”に。こっちの方がインパクト強いだろう。
そしてローブを装備解除。

解放された髪が、空を舞う。

「これで良い?
 とにかく、私はβテスターじゃ無いの。 
 強い理由は、現実で6歳から実戦用薙刀術を習っていたから、その技術を使っただけ。
 現に、私、ソードスキル使って無かったでしょ? 使えないの。」

これも全て事実。

お兄ちゃんの方を横目で見ると、
驚愕、焦り、心配。そんなどれともつかない顔をしていた。

ごめん、お兄ちゃんを悲しませる結果になるだけかも。
だけどね・・・

・・・だから、続けるね。

「βテスターどころか、MMOゲームすらコレが始めてだね。
 戦闘面は薙刀で十分。他の私の知らない情報は―――

 ―――βテスターの人に聞いたのさ、薙刀を使ってね。」

「どういう・・・意味や・・・」

「そのまんまの意味だよ。
 薙刀で軽く脅して、情報を吐かせた。
 βテスターがその事を言い出せないのは、私のせいかもね。
 同じ目にはあいたくないでしょうから。」

「なん・・・やと!? 恐喝したって言うんか!? 
 何でそんな事を!」

「その通り。恐喝しただけです。
 理由ですか? 私が生き残る為です。
 βテスターには、その糧になって貰いました。

 さて、私は先に2層に行きます。 
 ついて来ないで下さいね? 邪魔ですし。」

そう言い放ち、少し早足で階段を上る、
きっと、この上が2層につながっているはずだから。

◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆
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