暁 〜小説投稿サイト〜
〜白と碧の翡翠〜
第2話
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
とボスの接点を支点にして、切り払う様に後ろに下がり、直に構えをとる。

そしてまた雪桜の構え。

慣れ親しんだ構えだから、何も考えずともすぐ取れる。

次のボスの攻撃も、同じように真っ直ぐ突進。

急いで、左手を鍔の傍まで寄せ、右手を放し、左手だけで持つ、
そして、少し前に走りながら石突を地面に突きつけ、棒高跳びの様に上に飛ぶ。

もちろん、白刃薙は持ったまま飛ぶから、
ボスの頭の上を通り過ぎる瞬間、左手を後ろに振る。

刃がボスの頭に当たり、私の体は反動で前に出る。
一回前転して、衝撃を緩め、立ち上がってまた構えを取る。

今度は基本の構えの一つ、脇構え。

私に向かって真上から振り下ろされる剣をすれすれで左に避けて、
水平に薙ぎ、石突で殴り、反動を利用して間合いを取る。

雪桜の構えを取り、横薙ぎに払われる剣を下がって避け、
がら空きになった腕に刃を振り下ろす。

そしてその接点を土台にして、一気にボスの体に近づき、
大きく回転させた薙刀の刃をボスの頭部に叩き込む、

そして石突での突きを叩き込もうとした瞬間、対象が消え、床に石突が当たる。
体勢を整え、周囲を見ると、ボス部屋の外からこっちを見ている人達・・・
部屋に大きく浮かぶ《Congratulation!!》の文字。

あ、そうか、HPバーとか周囲の人とか見ていなかった・・・。

一拍後、部屋になだれ込んでくる人達。

呼んだのに帰って来ない時には心配したよ・・・とか言われて・・

・・・・戦闘中、自分の世界作り出しちゃったのは不味かったかな・・・。
でも、負ける訳無いんだよ。私は薙刀、相手は剣。
剣道と薙刀の異種試合は薙刀の勝率のが高いからってね!
いや、本来は攻撃距離の長さが有利な理由なんだけど・・・
気にしない気にしないー!

「なんでや!」

その時、部屋に響いた声。
キバオウさんの声・・・? 何が疑問なの・・・?

「なんで、なんでディアベルさんを見殺しにしたんや!」

「・・・見殺し・・・ですか・・・?」

「そうやろが! 自分はボスと一人で無傷で戦えるだけの力持っておったやないか!
 せめてディアベルさんが突っ込んでいった時、その力で援護してくれていれば、
 ディアベルさんは死なずにすんだんや!」

その声を聞いた、周囲の人が、ざわざわと騒ぎ始め、

「きっとあいつ、元βテスターだ! だからあれだけ強いんだ! 
 強いの隠してたんだ!
 他にもいるんだろ! βテスターども! 出て来いよ!」

そう、私に指をさしながら言い切った。
ちらりと、お兄ちゃんの方を向くと、手を握りしめ、少し震えていた。
名乗り出るか迷っているんだろう。

・・・仕方ない・・・か。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ