第2話
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ディアベルさんの声だ。
そして彼は、ソードスキルの光を得物に宿らせながら、
ボスに向かって突っ込んでいった。
その時、さらに後ろの方から
「だめだ! 全力で、後ろに飛べっ!!」
忘れもしないお兄ちゃんの声、
だけど、その声は焦りを帯びていて、ボスに向かっていくディアベルさんに放たれた。
だけど、一度発動したソードスキルは、止められない。
一連の動作が終わり、硬直が解けるその時まで、止める事は出来ない。
そのままボスに突っ込んでいったディアベルさんの剣は、
ボスを捕らえる事は出来ず、空を切る。
ボスは、飛び上がり、周囲の壁を使い、ディアベルさんの後ろに回り込み、
振り返った彼を切り裂いた。
そして、続けざまに剣を振り、彼の体を宙に浮かせ、浮いている所にトドメを打ち込む。
お兄ちゃんが、ディアベルさんに駆け寄っているけど、HPが消えたのが見えた。
不味い・・・リーダーであったディアベルさんがいなくなる。
このメンバーは、全てディアベルさんによって集められ、彼のみで纏められていた。
この場を立て直す代理なんて、いない。
◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆
・・・頭の中、作戦は浮かんだ。
決行できるか?
いや、出来る? じゃない。やる。やって見せる。
手には白刃薙が・・・薙刀がある。なら、負けない。
「全員、体制を整えて! 撤退準備に入れ! ボスは私が一人で引きつける!
その間に! 早く!」
そう叫びながら、手に握った薙刀をボスに向かって振り下ろす。
瞬間、音が消えた。周りの景色も人も、何もかも。
白い壁に包まれた部屋にいるのは、
ボスと、その手に持つ剣と、私と、白刃薙。その4人。
二対二。得物と、その使い手の。
薙刀を構える。中段の構えから、刃を上に向け、少しだけ切っ先を下向きにし、
左に倒した、私の構え。
名前を、雪桜の構え。
私が勝手に作った、非公式な構え。
葉桜流に、決まった構え、動きは存在しない。
あるのは、基本の構えと動きだけ。
それから、自身が最も動きやすいよう、自分だけの技を作るのが葉桜流。
雪桜の構えは、私が一番最初に作った物。
相手の動きに合わせ、切り上げ、切っ先での突き、薙ぎ払い、回避に繋げやすい構え。
私自身の名前の“雪緑”と“葉桜”流の、最初と最後を合わせ、
雪桜。
尤も昔から慣れ親しんだ構え。
確実に、敵の動きを読む。
―――――――――――
相手が動いた、その手に持った剣に、光を宿らせながら。
こちらに向かって真っすぐ突っ込んでくるので、右側に避け、
薙刀を回転させ、ボスの背中に打ち込む、
そして刃
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