第2話
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としてるだろうな。お兄ちゃん人付き合い苦手だし。
その時、後ろからクシャミが聞こえて来た。
振りむこうと思ったけど、
「そこの、ローブのお前・・・俺達と組まないか?」
と言う声で中断された。
声を掛けて来たのは、隣の席に座っていた、
背の高い、黒人のような黒い肌とスキンヘッドのプレイヤー。
「丁度あと一人足りないんだ、見た所一人の様だったから・・・」
成程、その申し出は大変ありがたい。
「はい、丁度一人で困っていたので、入れていただけるとありがたいです。」
そう返せば、それは良かったと言う声と共に、パーティ申請が送られて来た。
《Yes》のボタンを押し、パーティを組む。
「宜しく頼む、俺はエギルって言う。斧使いだ。」
それに続いて、他の4人も名前と得物を言う。
「宜しくお願いします。スノー・リーフです。長いので好きに呼んで下さい。
武器は薙刀です。」
ソードスキルを使えない事を言うか迷ったが、
パーティメンバーの“女なのか!”と言う声で言いだせなくなってしまった。
そう言えば今の姿は薄萌葱のローブで顔も体も完全に隠している。
男性と思われてもおかしくは無いかもしれない。
寧ろ、男女比を考えると男性と思うのが正論か。
「さーて、そろそろ組み終わったかな?」
「ちょぉ、待ってんか!」
ディアベルの声を遮断し、飛び込んで来たのは・・・
毬栗だった。
・・・訂正。頭にとげみたいに髪を生やしたプレイヤー。
「ワイはキバオウってもんや、ボスと戦う前に、言わせて貰いたい事がある。
こん中に、今まで死んでいった二千人に、詫びなきゃあかん奴がおるはずや!」
・・・お詫び・・・?
死んでいった人達にって・・・まさかね・・・
「キバオウさん、君の言うやつらとはつまり、
元ベータテスターの人達の事・・・かな?」
「きまっとるやないか!
β上がりどもは、こんくそゲームが始まったその日に、
ビギナーを見捨てて消えよった!
奴らは上手い狩場やら、ぼろいクエストやらを独り占めして、
自分らだけポンポン強なって、
その後もずーっと知らんぷりや!
こん中にもおるはずやで!β上がりの奴らが!
そいつらに土下座させて、貯め込んだ金やアイテムを吐き出して貰わな、
パーティメンバーとして、命は預けられんし、預かれん!」
・・・ふざけるな。
そうか、あの後、お兄ちゃんを見つけられなかったのは、すぐに街を出たからだったのか。
それの何が悪い。
情報を渡さなかったのが悪い?
情報はこの世界では莫大な富。
無償提供しなくても決して責められない。
誰だって、自分の命が大事なはずだから。
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