暁 〜小説投稿サイト〜
〜白と碧の翡翠〜
第2話
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―――――――◆―――――――◆

「ニャハハハハ、オイラに用事とは何かナ? スーちゃん!」

スーちゃんと言うのは、私のプレイヤー名、スノーリーフから取った、
アルゴに付けられたあだ名・・・

少し思うところはあるけど、彼女はβテスターで、
アルゴの攻略本と言う物も無償で提供している。

その攻略本には、いろいろと世話になったので、純粋に感謝もある。

そして、彼女にお兄ちゃんの事を聞こうと思ったけど、辞めた。
私達の関係は多少複雑だし、
名前も知らない人の事を探してくれと言ったって見つかる訳も無い。
それに、百万が一・・・死んだなんて聞いたら。

たぶん戦う事も出来なくなる。

だから、自分でお兄ちゃんの姿を確認するまで。
お兄ちゃんを追いかけたりしない。偶然出会うその日まで。

だから、今日アルゴを呼んだのも別の理由。

「ボス部屋らしき扉が見つかったから、
 そこまでのマップデータを公開して貰おうと思ってね。」

らしき、と付けたのは、私がボス部屋の扉を見た事が無いから、
今日見たあの扉が本当にボス部屋か分からないから。

「らしきって・・・全く、君が一番最初だナ・・・
 βテスターじゃ無いのが不思議な位ダヨ・・・」

アルゴに教わったマップデータの送り方を使って、アルゴにデータを渡す。
βテスターだとかそうじゃないとかはあんまり関係無いと思うよ・・・。

「じゃ、公開、宜しくー!」

「了解ダ、そのうちボス攻略会議が開催されるんじゃ無いのカ?」

ボス攻略か・・・。
今までの雑魚と違って、ボスは凄く強いんだろうな・・・。

「もし開催されたら、参加する気なのカ?」

その疑問に対する答えは一つだけ。

「当たり前でしょ!」

私がこの世界に来た理由。
お兄ちゃんと一緒に楽しく遊んで、現実でも仲良く話せるようになる事。

茅場さんのせいで現実に帰れなくなって、
お兄ちゃんにも会えないけど・・・

せめて楽しく遊んでゲームクリアしてやる・・・。
これはゲームであっても遊びではない。そう言っていたっけ、茅場さんは。
ふざけるな。意地でも遊んでやる・・・このゲームを。

で、ゲームをプレイするんだったらボス攻略欠席なんて有り得なく無い!?
と言う訳でもちろん参加するに決まってる!

いや・・・でも・・・ソードスキル使えないのに協力してボス戦なんて・・・
私に出来るの?

◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆

と言う訳で、
翌日にはボス部屋が発見されたと言うニュースがアインクラッド中に広まった。

と言っても一層だけなのだが。

ともかく、ボス攻略会議が12月2日に行われる事になった。
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