森林での戦い
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放たれる弾丸と、装填時にはここぞとばかりに怒涛の反撃を繰り出す槍兵の攻撃力に手を焼いているようで、数を揃えつつも近付く事が出来ないでいる。
それでも均衡が崩れるのは時間の問題だ。
ジャギィ達の後ろから一頭のジャギィが、仲間達を飛び越えるほど大きくジャンプして朱美へと直接奇襲を試みるが、既に見切っていた朱美に胴体へ弾丸を撃ち込まれてそれが制動の働きをした為にジャギィ達の真上に落下する。
突然の事にジャギィ達の間にパニックが起きる。
「ダイゴ!」
「ああ!」
その一瞬の隙を突く形で、ダイゴと呼ばれた槍使いが自身の槍の柄を脇に抱えてしっかりと固定した上で盾と共に構え、大きな踏み込みと共にジャギィ達目掛けて突撃する。
「うおおおおおりゃあああああああああ!!!!!」
円錐状の槍と人一人を覆い隠せるほどの大盾の突撃は、その一撃でジャギィ達は大きく体制を崩した。そこへ続け様に放たれた弾丸は無防備なジャギィ達を撃ち抜いて行く。
「せいやあっ!」
そしてダイゴは途中でに制動を掛けつつ、その反動を利用しながら、右手に持った槍で残ったジャギィ達に横殴りの一撃を放った。
「行くよ!」
倒れていくジャギィ達を尻目に、朱美は新たな弾丸を込めながら走り始める。
新たな標的は、テツとタクが戦うドスジャギィを始めとしたジャギィの群れだ。
「擲弾用意!」
朱美が叫ぶような声を出しつつ、拳大の球状の物体に細長い棒の付いた物をバックパックから取り出しつつ、細長い棒部分を銃口に差し込む。
それを聞いたタクがドスジャギィに大降りの一撃を繰り出し、それをドスジャギィが躱した隙を突く形でテツが前に出て手にした大剣を地面に突き刺した。
それはドスジャギィから自分とタクを遮る壁のようだった。
「発射!」
朱美が先端に拳大の球を付けた小銃をドスジャギィに向けて引き金を引いた。先端に付けられた球が放たれる。
放たれた球は煙の尾を引きながらドスジャギィに直撃し、轟音と共に爆発した。
『ギャオオォォッ!!』
周囲を囲っていたジャギィ達も巻き添えを食らって倒れ、倒れなかった者も即座に防御体制を解いたテツとタクの剣によって倒れた。
「はぁ……はぁ……」
「片付いたか……」
タクが血まみれの太刀を振って血を払い落としてから、残った血を懐から取り出したボロ布で拭き取り、テツは自分の大剣に刺さった先程の擲弾の破片を払いながら呟いた。
擲弾の直撃を受けたドスジャギィは左前足を含めた肩から胸辺りまでを抉られていた……即死している。
「流石に火砲用の炸裂弾は違うね……高かったけど」
「気を抜いてる場合じゃない。早く行かないと新手がくるぞ」
朱美が自分の放った擲弾の威力に簡単の声を上げる側で、ダイゴが救助者の事を指して言う。
「そうだね。皆
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