森林での戦い
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してしまい大声を上げてしまったせいで、ジャギィ達に居場所がバレてしまったのだ。
運の悪い事にその人物はアオアシラの一撃で首を?ぎぎ取られるも、そこに出現したドスジャギィがアオアシラと『食料』の奪い合いを始めたので、隙を見て信号弾を打ち上げて何とか彼らの目を再び逃れる事に成功した。
しかし、別のドスジャギィ達が先回りしていたので隠れる以外に方法が無かったのだ。
この状況では迂闊に動けない。動いたり声を出したりすれば間違いなくジャギィ達が気付いてしまう。
「……拙いね。テツ、閃光弾と煙幕はあとどれくらいある?」
朱美が救助者の中年の男を隠すように防御体制を取っていた、剣士用レザーアーマー一式で装備を固めた若い男に声を抑えて尋ねる。
「閃光が三。煙が四。他と合わせると八と十二だな」
「アタシのと合わせると十二と十五って事か……森を出るまでまだかなりあるってのに……」
それは一見すると多い数かもしれないが、子供を含めた救助者を四人も連れてジャギィ達の目を欺きつつ森を脱出するというのはかなり難しい。
彼ら四人なら何とかなるが、戦力外が四人……しかも子供連れとくれば、逃げる足すらも遅くなってしまう。
(間の悪い湯治客だね……護衛二人で十人がカバーしきれる訳が無いってのに)
彼ら湯治客が雇った護衛は行方不明らしい。たった二人で十人の護衛を勤めようとする辺り素人か、それとも護衛代だけ受け取って逃げたか……何れにせよ何の役にも立たなかった訳だ。
一応救援信号は出したものの、ユクモ村からこの辺りまでかなりの距離がある。
目の良いアイルーが常に観測台に立って常に見張っているとはいえ、ここまで救助班を連れて来れるかは微妙なところだ。間に合うかどうかも分からない。
「ママぁ……」
「大丈夫よ。大丈夫だから……」
不安を訴える幼い少年と、自身も不安を隠し切れなくとも子供を元気付けさせる若い母親の声に思考が遮られた。
赤みがかった髪を見た限り、この地方の人間ではないのは確かだ。
(全く。やる気を出させてくれるじゃないか)
目の前で誰かが危機に瀕しているなら助けるべきだ。……朱美はそういう類の人間だ。迷っていたが、踏ん切りが着いた。
しかし、やる気云々はともかくとしてこの現状を確実に解決する方法が思いつかない。
手が無い訳ではないがかなり運に頼る事になる。敵の数を考えれば犠牲が出る可能性は高い。
だが、時間がある訳でもない。ジャギィ達の援軍が駆けつけて来るのは今すぐかもしれないのだ。
「腹、括るか……」
朱美はそう言って小銃の安全装置を外す。それを見た彼女の仲間達は彼女の号令に応える為に各々の武器を手に合図を待つ。
「キミ達にも腹を括って貰うよ。正直、博打になるがやらないよっかマシだと思う」
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