森林での戦い
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に尋ねてくる。
「高く跳ぶ。それを常に念頭に入れて毎日跳ぶ訓練をするんだ。……そうだな。成長の早い木でも植えて実践するといい」
夏空の疑問に対するヴォルフの返答は簡潔だったが、気の遠くなりそうな程長い話だった。
「そうですか〜ちょっと無理そうなので私は遠慮しておきますね〜」
夏空はそう言って水差に口を付けて水を少し飲んだ。周囲では大きな溜息を吐いている者や軽くジャンプする者がいた。
「?」
ヴォルフは彼女達が何をしたかったのか少し疑問に思ったが、すぐに目的の方向に視線を移した。追加の救援要請の信号は上がらない。
考えられる事柄は複数ある。信号が尽きた。交戦中・逃走中につき信号を上げる暇が無い。全滅した。などなど、考え出したらキリが無い。
交戦中にしても、せめて銃声でも聞こえないかと耳を澄ませた。だが、聞こえてくるのは真下からの声位のものだった。
日の差し込まない森の中、岩陰に身を隠し息を潜めている者達がいた。
ユクモ村に滞在していたハンターである朱美とその仲間達だ。そして、ハンターではない二人の人物。
朱美は暗がりから少し顔を出して様子を伺う。視線の先には救援を要請する原因になったモンスターの群れがいた。
鳥竜種ジャギィの群れだ。三頭ものドスジャギィに率いられた大きな群れだ。
彼女は数日前に、仲間と共にユクモを出て狩りの標的を探していた。アオアシラ以上のモンスターを狩ろうとチームで決定したからだ。
しかし道中で逃げ惑う一行に遭遇したので救助を優先した。
相手は複数のジャギィだった。ジャギイ数頭はいつもの事なので何とかなると思っていた。
だが、メスのジャギィノスが複数加わって更にはドスジャギィまで姿を現した……それも一頭が現れて咆哮を上げれば、更に二頭が姿を見せた。
そして彼らが一斉に咆哮を上げ、瞬く間に『群れ』が出来上がったのだ。
三頭のドスジャギィが率いる群れ……おそらく、自分達より体の大きな大物を仕留めるために、より数を増した物だろう。運悪くソレに出くわした。
ハンターは朱美を含めて四人……数の差が決定的だった。
そうなると逃げる以外に方法が無い。牽制射撃や閃光弾に煙玉、他多数の小道具を駆使しつつ逃走を試みたのだ。
一人が逃げる救助人に逃げる方向を指示する。一人が小道具や弾丸の準備をする。一人が接近してきたジャギィを直接攻撃する。朱美が小銃で牽制と狙撃を行って足を止める。即興とはいえ悪くない手だった。
しかし、朱美たちハンター達の健闘も虚しく一人、また一人とジャギィ達に仕留められる人々。朱美達の指示を聞けなかった者は例外なく犠牲になった。
そして今は何とかジャギィ達の目から逃れる事に成功したが、先頭を走っていた救助者の中年の女性が今度はアオアシラに出くわ
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