草薙家は化物ばかりか!?
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「・・・・・・。」
「ん?おお、お帰り静花。どうした?機嫌悪そうだな。旅先で何かあったのか?」
草薙家の玄関。そこに無言で立っていた草薙静花に、兄である草薙護堂は首をかしげた。何故か、物凄く機嫌の悪そうな、ジトっとした目で護堂を睨んでいるのである。
草薙静花は、この長期休暇を利用して父親と海外旅行へと行っていた。しかし、それはこの妹の機嫌が悪い理由には繋がらない筈だ。あの、娘を溺愛している父親である。もし彼女の逆鱗に触れるような真似をしたのなら、絶対にご機嫌取りをするはずだからだ。むしろ、彼女の機嫌が治るまでは、家に返さないかも知れない。(因みに、彼の祖父である一郎も「ちょっと知人に会ってくる」と言い残していなくなっている。女性関係でないことを祈る護堂だった。)
それに、彼女が護堂を睨んでいる理由も不明である。そもそも、今回の旅行に護堂はついて行っていないのだ。彼女の機嫌を損ねるなんて、出来るはずがなかった。
・・・だが、現に彼女は護堂を睨んでいる。
「・・・どうした?俺、なんかしたか?玄関とかの掃除はしたよな・・・?飯も作ってあるし。」
「・・・・・・・・・。」
護堂が話しかけても無言のまま。流石に居心地の悪くなってきた護堂は、このまま自室に退散しようかと思った。・・・その時、
「・・・お兄ちゃん。」
「な、なんだ!?」
ここまで低い声で話す妹を見るのは何年ぶりだろう?などと、現実逃避気味に考えた護堂だったが、現実は彼の思考を待ってはくれない。自体は、思わぬ方向へと動き始めていた。
「お兄ちゃんさ―――
「護堂大変よ!!!今連絡が入ったのだけど―――!
静花の声に被せるように、叫びながら草薙家の扉を開けたエリカ。しかし、彼女の目の前には静花が立っていた訳で、彼女は言葉を止めた。
「し、静花・・・様。」
「はぁ!?」
自分の耳が変になったのかと護堂は疑った。あのエリカが、何故妹に敬称を付けるのか?何故彼女を恐るような目で見ているのか?全てが分からなかったのだ。
「いいんですよエリカさん。いつもと同じで。・・・お兄ちゃんに報告しにきたんでしょう?さぁ、私なんて気にしないでどうぞ。」
「し、静花?」
威圧感。護堂とエリカは、彼女からとてつもない威圧感を感じ取っていた。これは、王者の持つ気配。
「ご、護堂・・・あのね―――
「草薙護堂!貴方の祖父が、神殺しに成功したと報告が―――
「護堂さん!弦蔵さんという人が貴方の父親だというのは本当―――!
「王様!草薙真世って王様の母親―――!?
「お、落ち着け皆!何があった!?」
リリアナ、祐理、恵那がエリカの言葉に被せるようにして扉から突っ込んできた。
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