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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 馬正
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 心、ここにあらず、みたいな?

「いるじゃん……」
「そりゃいますよ! でも、仕事をしてくださらなくて……」

 簡雍の泣きそうな声。
 むぅ……なにがどうしてこうなった?

「おい、朱里……雛里! ふたりともちょっと……」
「えへへ……盾二さまぁ……」
「ぽー………………」

 遠めで声をかけても、なにか呟くばかり。
 正気を失っている?

 俺は朱里の近くまで近づいて、その顔を覗きこんだ。

「えへへ……えへへ……じゅんじさま……ごしゅじんさま……」
「……ご主人様って呼ぶなっての。起きろ、朱里!」
「は、はわっ!?」

 俺が、朱里の両の頬を挟むようにすると、ようやく目を覚ましたように目を(しばた)かせた。

「ご、ごしゅ……じゃない、盾二様!?」
「いったいどういうことだ……? ふたりとも、疲れているのか?」
「え? あ、あれ? 私……え? 今、何時(なんどき)ですか!?」
「すでに夕方に近いが……?」
「えええええーーーーーーーーーっ!?」
 
 驚いて立ち上がる朱里。
 というか、今日一日ずっとこんな状況だったのか?

「はわっ、ひ、雛里ちゃん! 起きて、起きてよ!」
「ぽー……………………」
「こっちもか……雛里、起きろって!」
「わぷっ……あわ? ご、ごしゅじ……!」
「だからご主人様って言うな! いい加減、起きろ!」
「ふぁ、ふぁいでしゅ!」

 朱里同様、両の頬を挟み込んだまま立ち上がるから、変な顔で答える雛里。
 ふたりとも、いったい何があった?

「はわわ……私達、今日何もしていなかったんですか?」
「らしいぞ。簡……憲和だっけ? この子が言うには、だが」
「あ、憲和で結構ですよ、御遣い様」
「あわわ……竹簡が、竹簡が凄いことになっているよ、朱里ちゃん」
「きゃーーーーーっ!? い、急いでやらなきゃー!?」

 慌てて目の前にある竹簡にとりかかる二人。
 やれやれ……俺も人のことは言えないけど、昨日二人も深酒したのかね?

「俺もやるか……悪いが憲和、たぶん呆れて置きっぱなしにした文官を集めて、処理済みの竹簡の仕分けを頼む。朱里、雛里、最重要なのもってこい、俺が担当するから」
「「お、お願いしますー!」」
「た、助かりました、御遣い様……」

 ん?
 なんか憲和の目がキラキラとしているが……
 相当苦労したんだな……悪かった。

「構わないさ。臣の失態は主の責任でもある。今日は徹夜だな……すまないが、厨房に寄って職務中でも食べられるものを作ってくれるように頼んでくれ」
「はい! すぐに!」

 やれやれ……やっぱり変に宴なんかに首突っ込むもんじゃないな。
 次からは星にもちゃんと言っとかないと。


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