拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 馬正
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んさまっ! おおおおおおおはよう、ございますっ!」
「………………おはようさん。 ああ、ご飯食べていたのか。邪魔してごめんな」
見れば食卓の上には、炒飯が……
炒飯?
………………なんか、変な記憶が蘇りそうになったんだけど、頭痛で思い出せない。
「悪い……できたら水もらえないか? 喉がカラカラで……」
「み、みみみ水ですな!? 水ですね!? 少々お待ちを!」
慌てて立ち上がって井戸に向かう愛紗。
いや……その。
愛紗の前にある、急須のお茶でもいいんだけど。
まあ、せっかく持ってきてくれるっていうし、待たせてもらうか……
「おや、御遣い様。食事ですか?」
厨房から出てきたのは、この漢中内城の料理長。
人のいいおじさんだが、料理が超絶にうまい。
「ん? ああ……食欲はないけど、朝だしなにか食べたほうがいいかな?」
「朝? なに言ってるんですか、御遣い様。今はもう昼ですよ?」
「へ?」
言われて気がつく。
外を見れば太陽が天中央に燦々と輝いている。
う……まぶしい、てか目がいてぇ。
「随分、お休みになられていたようですな……深酒は、ほどほどになさったほうがよろしいですよ?」
「……わかる?」
「そりゃ誰でも。すごい匂いですよ? その様子ですと、あまりお酒は体質に合われないようですな」
「おっしゃるとおり……実は、昨日の記憶もあいまいでな。全然憶えてないんだ」
「ああ、そりゃお酒はやめたほうがよろしい。無理に飲んでも体を壊すだけですぞ」
「だよな……なんで俺、酒のんだんだろう?」
がしゃん!
唐突に物が壊れる音。
おっちゃんと二人で、そちらを見ると……
お盆をひっくり返して、陶器の湯のみを壊した愛紗が呆然とそこに立っていた。
「おいおい……愛紗、大丈夫か? なにかにつまずい……」
「ごごごごごごご、ご主人様! 今、いま、なんとおっしゃいましたかっ!?」
「……うひぇ?」
振り向きざまに、詰め寄ってきた愛紗に、変な声が出る。
見れば顔を真っ赤にしているのは先ほど同様なのだが……今度のは、目が据わっている。
そして睨まれている……ような気がする。
「あ、愛紗さん? な、なにが……」
「昨日のこと! まったく! 憶えていらっしゃらないのですかっ!?」
「…………………………なにかあった?」
俺の言葉に、愕然となった愛紗が、その場に崩れ落ちる。
えっ……?
き、昨日、なにかあったっけ?
え、ええと……昼間、服屋で愛紗の水着見て、夜に晩餐会とか呼ばれて、なんか変な格好した……ああ、メイド!
「え? あ、き、昨日のメイド姿!? に、似合っていたよ、うん。すごく。か、
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