拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 馬正
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―― 簡雍 side 漢中 ――
母さん、大事件です。
梁州は、未曾有の危機になりました。
正直いって、僕が働き出してからこんな大事件が起きたことはありません。
でも、もうどうしていいかわからないぐらい、大変な事件です。
他の文官の人達は、それぞれ慌てふためいていて、どうしていいかと僕に聞いてきます。
そんなこと、若輩の僕に決めろというのでしょうか?
無理です、無理!
僕は、ただの雑用整理の文官見習いなんですよ?
それなのに……
『君が一番、宰相様と親しいのだから、なんとかしてくれ』
とか、年配の文官さんにまで言われる始末。
そういうのは年の功でなんとかできないんですか!?
『あの馬仁義殿すら投げたのだ。私達でどうこうできるわけがない』
職務放棄って言いませんか、それ!?
これだから与えられた仕事しかできない事務方は……
って、僕も事務方でしたね。
なんとなく宰相のお二方のご苦労が、ようやくわかった気がしました。
それにしても……本当にどうしましょう。
僕は……僕は、お二方のこんな姿、今まで見たこと無いんですよ?
こんなにも……緩みきったお姿は!
「えへへ……うへへ……んー……うふっ。ひへへへへ……」
「ぽー………………………………ちゅ、って…………………………(にへら)」
ああああああああ……
どうしたんですか、どうしたんですか、どうしたんですか!
なんでこんな顔を真っ赤にさせて、天井を見ながら顔をにやけさせて、唇に触れながら頬を緩ませて、あまつさえ薄ら笑いで周囲を恐怖させるんですか!?
怖いです、すごく怖いです!
普段が普段なだけに不気味すぎます!
一体、何が起きたんですか!?
そもそもの発端は、朝になっても執務室にいらっしゃらないために、文官総出でお探ししたところ、宴の広間で直立不動で気を失いかけていた馬仁義様を見つけたところから始まった。
お起こしすると『入ってはならん! ならんが……く、口の堅い女官を数人呼んで参れ! いいか、すぐにだ!』とのこと。
あまりの剣幕ぶりに、すぐに対応したのですが……
女官を呼んできても、宴の間に入れるのは女官だけ。
しかも最初に入った女官は悲鳴あげていたし……いったい何が?
『知らぬほうがよい……というか私も知りたくはない。いいな、このことは他言無用! もし外部に漏れたら警官隊率いてひっ捕らえにゆくからそう思え!』
言葉はきついのに、ものすごーく情けない顔で威圧されました。
本当に一体何なのでしょうか。
そして一刻(二時間)後に、ようやく執務室にお二人が来てみれば……ごらんのあ
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