暁 〜小説投稿サイト〜
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 刑事ドラマみたいに髪の毛一本から採取して鑑識に……やだ、ドキドキして来た。

「被害者三人が決まって夜明かししてた溜まり場ってのがあるらしいの」
「え、鑑識は?」
「公子……アンタ何言ってんの?」
「つかそんなことより、ゆかりッチ……それ、もしかしてポートアイランド駅前の裏入ったとこじゃ……」

 ポートアイランドの裏路地? あんまり知らないけど有名なのかな?
 こっちに来て二月くらい経つけどそっち方面はあんま行かないからよく知らないなぁ。

「なんだ、知ってたの?」
「あそこヤバいって!」

 悲鳴染みた順平の声。
 ヤバいってどう言うことだろう? 放射能でも漏れてるの?

「あそこ駅のすぐ裏だけどマジ超いろんなヤバい噂あんだぜ?」
「そーなの? なら、尚更皆で行かなきゃ。ねえ、一緒に来るでしょ?」

 ゆかりの視線がこちらを向く。
 行くかどうかって言われたら……

「もちろん! 何だかんだで話聞いてたら私も事件の真相気になって来たし」

 無視したら不完全燃焼のまま終わりそう。
 そんなのはどうにも私の性に合わないので、当然行く。

「だよね」
「オレ、行きたくねーなー……あそこマジ、マンガみたいに荒れてんだよ……」
「情けないわね。女二人が行くって言ってるのにさ」
「つか、そこまでする必要あんの実際!?」

 …………確かにそうだ。
 うん、私は別に構わないけど、ゆかりが入れ込む理由が分からない。
 馬鹿にされたから調べてるだけだと思ってたけど、違うのかな?

「だって、今まで私達、先輩に言われたまんま動いてたでしょ?」

 ゆかりの顔はどこか険しい。
 何となく気付いてたけど、彼女は色んな疑念を抱いているようだ。
 確かに秘密主義な先輩やらに不信感を抱くのも無理はない。
 今まで空気的に聞けなかったけど、私達はあまりに多くを知らなさすぎる。
 例えば、影時間がどうして始まったのか、シャドウやペルソナって何なのか。
 ある程度は教えられているけど、本質と言うものは何も知らない。

「このままでいいのかなって、そう言う風に思わない?」

 ゆかりは裏瀬くんと同じタイプの人間だ。
 私は……自分で言うのも何だけど深くは考えず、割と流されやすいと自覚してる。
 けど、二人は違う。
 気になることがあれば自分の手で解き明かし、そのための労力を惜しまない。
 今ここに居ない裏瀬くんも、この件とは別の何かを調べている。
 それが何かは分からないけど、自分の意思で行動してるのは間違いない。
 そんな二人に少しばかりの憧れを抱いてしまう。

「……や、そうかもしんないけどさぁ……そこで真顔かよ。ズリぃなー」

 順平も薄々は何かを思っていたようだ。

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