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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
勇者オルテガ
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他の皆も慌てて後を追うが、我を忘れているアルルとそれを追うティミーには追いつけない。








「くそー…頭が複数あるのって卑怯だよなぁ…同時に何回も攻撃してきやがる!美女とのベッドでの戦闘だったら、俺だって同時に何人でも相手出来るのに…コイツ相手じゃなぁ………」
一見すると細身だが、各所への筋肉の付き方が尋常ではない髭面の男は、目の前の『キングヒドラ』を警戒しながら、場にはそぐわない呟きを吐いている。

数々の戦闘を1人で潜り抜けてきたその男は、体中に消えない傷を携えており、髭を剃ればかなりの美男子である事は瞳で判る。
常人では両手で扱うであろう巨大なバスタードソードを片手で軽々と振り回し、巨大なキングヒドラと対等に戦っている。

「あ゙〜くそっ!こんなに苦戦するのなら、あの馬鹿(ナール)を連れてくれば良かったかな…コイツの炎よけ代わりにはなっただろうに…」
気持ちは解るが酷い事を言う男は、空いている左手でライデインを唱え、相手が怯んだ瞬間を突いて右手の剣で攻撃を繰り出す。
しかしキングヒドラは複数ある頭を器用に動かし、男の攻撃を辛うじて躱すと鋭い牙を剥いて噛み付いてきた!

「ぐわ!…くっそ…いってーな!」
男も辛うじて避ける事が出来、キングヒドラの牙は彼の左腕を掠っただけだった。
それでも巨大な牙が掠ったのだ…その傷は小さくない。
相当量の出血が見られ、慌ててベホマで傷口を塞ぐ。

「やばい…もう魔法力が残ってない…一旦逃げるかなぁ…でも、こんな奥まで来ちゃったしなぁ…逃げ切れないだろうなぁ…」
ニヒルな笑みを浮かべながら、一瞬だけ考えを巡らせてから両手で剣を構え直し、キングヒドラへ向かって踏み込む男。

ウネウネと動く複数の首を避けながら、今まさに炎を吐こうとしている頭目掛け剣を振り下ろす!
(ザシュ!)
快音と共にキングヒドラの頭が1つ切り落とされる。

だが次の瞬間…
残った頭の1つが、突如男の目の前に鎌首を擡げ現れ、強烈な燃えさかる炎を吐き付ける!
「ぐわぁぁぁ!!!」
全身を炎に包まれ後ずさる男…
トドメを刺す為に、更に炎を吐いたキングヒドラ…

しかしトドメの炎は、誰も居ない空間を通過し消え、男の命を奪う事は出来なかった。
何故なら、すんでの所で駆け寄ってきたアルルが男を庇う様に押し倒し、キングヒドラよりも離れた所に男を避難させたからだ。

「お父さん…大丈夫、お父さん!?…ベホマ」
涙で顔を濡らしながらアルルは男の上に覆い被さり、炎で焼けただれた身体をベホマで即座に治療する。

「お…お父さん………!?お前…まさか…アルルか?アリアハンに残してきた俺の娘、アルルなのか!?」
傷が癒えた男は、自分の上に覆い被さる少女を見て、驚きながら確認する。
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