第98話
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しだけ時間がかかった。
麻生が意識が目覚めると同時に病室のドアが開く。
そこから入ってきたのは、カエル顔の医者こと「冥土返し(ヘブンキャンセラー)」が入ってきた。
「うん、どうやら目覚めたみたいだね?」
カルテを片手に麻生に近づいてくる。
服装も病院服に着替えており、胸には包帯が何重にも巻かれていた。
「あんたに幾つか聞きたい事がある。」
「何だい?」
「俺はスラム街にいた筈だ。
なのに、どうして病院にいる。」
「僕に直通で電話があってね、第一九学区に重体患者がいるって聞いたからね?
それで向かってみると君を含めて、四人の重体患者を見つけたよ?」
その言葉を聞いて麻生は思わず、ベットから起き上がろうとする。
しかし、胸の痛みが麻生を襲い、結局ベットに倒れ込む。
「どうしたんだい?
そんなに驚いて?」
「そんな筈はない、あのスラム街には大量の食屍鬼の死体があった筈だ。」
「食屍鬼?
何だいそれは?」
医者の顔は嘘を言っているように見えなかった。
(誰があれだけの数の死体を処理したんだ?)
最初に考えられたのは海原が処理したのかと考えた。
医者は麻生の容体が安定している事を確認すると、部屋から出て行こうとするが何かを思い出したのか振り返って言った。
「そうだ、これを君に渡してほしいとさ?
本当なら病室内で電話は禁止だけど今回は特別だよ?」
携帯電話を医者から投げ渡され、医者は病室を出て行く。
それと同時に携帯が鳴り響く。
電話に出ると、その電話の相手は海原だった。
「怪我の方がどうですか?」
「医者が良いから大丈夫だ。」
「それは良かった。
それで貴方には一応、報告しておこうと思いまして。
まず、拉致された生徒ですが無事に救出する事が出来ました。
本人達は何も覚えていないようですが、まぁそれはいいでしょう。」
「俺もお前に聞きたい事がある。
食屍鬼の死体を片付けたのはお前か?」
「いいえ、違いますが。
自分はてっきりあなたが処理してくれたのだと思ったのですが。」
「・・・・・・・そうか。」
「とりあえず、この一件はこれで終わりですね。
スラム街にいた置き去りは行方不明になっていますが、これは上層部の方が上手く情報操作するでしょう。
今回は本当にご苦労様でした。
次もよろしくお願いしますね。」
「もう二度と手伝わん。」
そう言って麻生は電話を切る。
麻生は窓の外を見つめながら考える。
食屍鬼の死体は誰が処理したのだと。
(あの男がするとは思えない。
かと言って、触手を操って
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