ヴァンフリート星域会戦 その一
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このあたりはケストレルを旗艦にしている分艦隊司令アップルトン中将の腕の見せ所だろう。
今回の任務は、ある意味ケストレルの為に作られたと言っても過言ではないのだから。
「今回の任務はヴァンフリート星域に作られた、帝国軍の基地への攻撃だ。
敵基地はイゼルローンの要塞防衛の拠点のひとつとして整備された可能性が高く、ここを攻撃する事によって敵の出方を見るというのが任務となる。
基地の攻撃が主軸ではなく、あくまで帝国軍の出方が目的だから履き違えないように。
ケストレルのスパルタニアンがヴァンフリート4=2にある敵基地を攻撃。
残りは来るであろう帝国軍の後詰を叩く。
作戦期間は攻撃開始から一週間。
距離的に考えて、基地攻撃から三日で帝国軍がやってくる可能性が高い。
皆、気を緩めないで任務に励んで欲しい」
巡航艦ラトはその下に百隻ほどの駆逐艦がつけられている。
彼らを生きて故郷に帰すのもヤンの仕事なのだ。
敵が内戦の傷を癒すために防御しているのは分かっている。
その為にイゼルローンに要塞を持ってきたのだから。
だが、要塞を最前線にするつもりは帝国軍も考えてはいないだろう。
要塞を拠点にして警戒拠点や防御拠点を作り、同盟軍の攻撃を可能な限りひきつけて消耗させる必要がある。
それは同盟軍から見ると、これらの拠点が侵攻用になりかねないので潰す必要がある訳で。
「要塞には手を出さないが、要塞に直接攻撃できる環境は維持する必要がある」
というのが同盟軍の基本方針となった。
そうなると、本来ならば分艦隊、もしくは戦隊対処の戦闘で十分なのに一個艦隊を用意したのはいくつか理由がある。
まずは最初だからというのが大きく、レンテンベルク要塞で整備・補給ができる15000隻全力出撃に応対するという必要があるからだ。
その為、作戦開始から三日後には、第二艦隊もヴァンフリート星域近くで『演習する』という念の入れよう。
次に、ヤンも言ったが同盟軍が要塞に対するアクションを起こす事で、帝国がどのように応対するか見極めるというのが一つ。
現在でも帝国軍は無理をすればという注釈つきだが、50000隻近い船で同盟に侵攻する事ができる。
この侵攻戦力をこの手の小規模戦闘で少しずつ間引いていこうという作戦を統合作戦本部では立てていた。
こちらが無理せずに投入できる艦艇は75000隻。
相手が50000隻ならば防衛戦とはいえ少し心もとないので削っておこうという訳だ。
この50000隻にレンテンベルク要塞の防衛艦隊が出る事はないだろうが、防衛艦隊が消耗し整備・補給に追われれば、それだけ侵攻艦隊の船が減るからだ。
最後はやっぱりというか、ある意味同盟の宿命なのだが、政治である。
帝国に
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