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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
ヴァンフリート星域会戦 その一
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ちろん、表向きにできないのでフェザーンの提案に帝国と同盟が個々に乗ったという形になっている)にした経緯がある。
 彼ら灯台が仕事ができないようだと戦後の復興すらままならないから、これらの灯台を中立機関として位置づけたのである。
 その結果、この灯台にて非公式会合や捕虜交換などが行われ、中立系メディアのスクープ等幾多の物語が生まれるのだがそれはおいておこう。
 原作を知っていた人形師はフェザーンが占領されてここの航路データが同盟征服に利用された事を知っていたが、あえてこの重要情報を自分の手の届かない所に置いたのはこの中立性を期待したからだ。
 踏み潰して接収するのはたやすい。
 たが、それをすれば『善意で動く連中』を敵に回す。
 第二のルドルフを狙うのならばそれもありだろうが、健全な批判勢力となりうる彼らを力づくで従えるデメリットを、これから出てくる綺羅星の将星達が理解できない訳がない。
 恒星系重力圏ぎりぎりの所に設置されたこれらの宇宙ステーションがジャンプポイントの管理を行い、船舶を経済的な航路に乗せて目的地に導いてゆくのだ。
 専制国家ゆえに貴族の横暴と官僚組織の肥大化が激しい帝国では、この灯台守の維持と中立がなかなか守られずに物流の硬直化の一因となっているが、フェザーン星系などではあまりに大量の船舶を裁く為に航路管制官にファンがつく始末。
 そんな航路管制官がクラスチェンジする管制主任ともなると、

「フェザーンの黒いあんちくしょう」
「キャーカンセイシュニンサーン」

 とファンが黄色い声をあげるんだとか。なんとか。
 話がそれた。

 これらは民間航路の話である。
 では、交戦地域星域の場合どうするのか?
 実は結構守られたりする。
 先にも言ったとおり、灯台はある種の中立が求められるから、戦場が領国内である同盟はこの遵守に拘った。
 一方、帝国はこの灯台を占拠して貴重な航路データを得た事も何度かあったが、そのたびに激怒したフェザーンからの経済制裁を食らったのである。
 で、それが帝国の宮廷政争の餌になり、灯台占拠を命じた人間が左遷されるという報復が分かるようになると自然と攻撃の手も緩まる。
 加えて損傷激しい帝国艦がこの灯台に逃げ込み、艦船は同盟が押収したが船員はフェザーン経由で帰還できたなど、帝国もこの中立機関の効能に気づいて手を出さなくなっていった。
 とはいえ、流れ弾やミサイルが当たり犠牲者が出る事もあるので絶対安全とはいえないのだが。

「ワープアウト。
 ヴァンフリート星域灯台からの航路誘導波キャッチしました。
 司令部に転送します」

「了解。
 こちらの航路データと照合。
 修正します」

 同盟と帝国の人間を同数入れたフェザーン企業によって運営される灯台は、その最
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