第97話
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性に当たっても女性は傷一つ、つかなかった。
それを見た、麦野と絹旗は驚愕の表情を浮かべる。
ガタガタ、と麦野の足元から音がすると、四つの鋭く尖った水が麦野の両肩両膝を貫く。
そして、今度こそ完璧に麦野は倒れる。
「そこでじっとしていてください。
後で殺して差し上げますから。」
絹旗と同じ様に視線を向ける事無く、女性はそう言った。
「さて、身体中を穴だらけにしてあげます。
さぞかし痛いでしょうが、我慢してくださいね。」
鋭く尖った水が何本も現れる。
その水が一斉にフレンダの身体を貫こうとした時だった。
「止めろ。」
その瞬間、フレンダに向かっていた水が一斉に弾けた。
初めて驚きの表情を浮かべる女性は、通路の先に視線を向ける。
そこには、こちらを見つめる猫が一匹座っていた。
女性はその猫の事は話しに聞いていた。
「去れ、去らぬと言うのならこの私が相手になろう。」
猫とは思えないくらいの威圧感を女性は感じた。
(この猫について情報が少なすぎる。
私の魔術を打ち消したところを見ると、私達の事を知っている可能性が高い。
私の方の装備も最低限の装備しか持っていない。)
女性はそう考え小さくため息を吐くと、ゆっくりと猫に近づきその横を素通りする。
「今度お会いしたらアナタについて色々調べさせてもらいますね。」
その言葉を残して、女性は通路の先の闇に消えて行った。
猫はそのままフレンダに近づき、前足をそっとフレンダの身体に触れる。
すると、傷口が塞がり出血が止まった。
「簡単な応急処置をさせてもらった。」
麦野に近づき、同じように前足で触れると両肩と両膝の傷が癒える。
「一応、救急車も呼んでいる。
時期に此処にも来るだろう。」
最初にこの猫に会えば麦野達は驚いていただろうが、今日は色々とありえないモノを見ているのでそれほど驚きはしなかった。
「ただの猫じゃないわね。
あの女の仲間?」
「仲間なら助けはしないだろう。
少なくとも敵ではない。」
「それを聞いて超安心しました。」
絹旗はそう言って眼を閉じ、緊張の糸が切れたのか気絶する。
麦野も突如、睡魔が襲い掛かる。
「お前も寝ていろ。
次に目が覚めれば病院にいる筈だ。」
麦野はその言葉を最後に意識が途切れる。
猫はそのまま通路の先を歩いていく。
「後は麻生だけか。
間に合うといいのだが。」
さっきよりも少し早めに歩き、麻生の元に猫は向かうのだった。
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