暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―精霊狩り―
[14/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。

「……これが、あなたが獲物として扱って来たモンスターたちの力よ! サイバー・ブレイダーで、ブラッド・メフィストを――」

「おっと待ちな!」

 サイバー・ブレイダーの攻撃がブラッド・メフィストに炸裂しようとする直前、ギースの制止の声が明日香に向かって放たれる。明日香は不審に思いながらもサイバー・ブレイダーの攻撃をストップすると、ギースはそのまま明日香に向かってこう言い放った。

「オレをこのまま攻撃すれば……友達の大事なデッキがどうなるか解ってんだろうなぁ?」

「――ッ!?」

 暗に奪った【機械戦士】と精霊たちを人質にする、と発言したギースに明日香は息を呑んだ……その一瞬後に、薄く笑った。そんなことはどうでも良い、と言っているかのように。

「好きにすれば良いわ。……出来るなら、ね」

「ああッ?」

 明日香の妙な反応を気にしたギースが、奪ったデッキや精霊を捕らえてある、斜め後ろに構えているバイクを――さらに言えば、そのバイクに乗っている俺を見た。もっと正確に言えば、ギースのバイクに乗ってデッキを取り返している俺を、だ。

「テメェ……どうやって……」

「機械関係は得意なんだ。後はスキを見て、な」

 明日香とのデュエルに集中している中、俺はギースの隙をついてバイクに接近し、機械戦士と精霊たちを閉じ込めているものを解放し、後は明日香のデュエルを見学させてもらった。……思いの外上手く言ったことに、自分も驚いている。

 ……そして驚愕するギースを尻目にしながら、サイバー・ブレイダーはブラッド・メフィストに引導を果たすべく動きだした。

「サイバー・ブレイダーで攻撃、グリッサード・スラッシュ!」

「うわああああ!」

ギースLP400→0

 サイバー・ブレイダーの蹴りがブラッド・メフィストに叩き込まれ、そのままギースのライフポイントごとブラッド・メフィストを消し飛ばした。……闇のカードと言えど、破壊されれば墓地に送られるし、ライフポイントを0にすれば敗北するのは変わらない。

 そしてギースは尻餅をついた後にバイクの方を見て、驚愕……いや、怯えた表情をして後ずさる。もちろん俺やバイクを見て恐怖している訳ではなく、ギースが【機械戦士】より早く捕らわれていた、俺には見えない『何か』に怯えているのだろうが。

「明日香、大丈夫か?」

 そのまま森に向かって走っていくギースはともかく、デス・デュエルをした明日香へと駆け寄った。ブラッド・メフィストによってのダメージに加えて、デス・デュエルでの体力減少ともあれば、明日香もかなり疲弊しているに違いない。

「ええ、大丈夫よ……」

 無理しているのは見て取れる表情で言う明日香を、無理やりギースが置いていったバイクに
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ