暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―精霊狩り―
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に、隠せないほどにギースの顔が歪む。サイバー・エンジェル−茶吉尼−は特殊召喚に成功した時、相手は一体選んで自分のモンスターを破壊しなければならないのだから。

 そしてギースのフィールドにモンスターは、切り札である《ブラッド・メフィスト》しかいない。

「サイバー・エンジェル−茶吉尼−で、ブラッド・メフィストを破壊!」

 ずっと獲物として捕らわれていた恨みだろうが、サイバー・エンジェル−茶吉尼−はいつも以上にブラッド・メフィストを切り刻み、そのままギースの前に立ちはだかった。今度切り刻む相手は、このプレイヤーだと示すように。

「バトル! サイバー・エンジェル−茶吉尼−でダイレクトアタック!」

「手札から《バトルフェーダー》の効果を発動!」

 八本の腕と刃物を振り上げたサイバー・エンジェル−茶吉尼−だったが、ギースの前に現れたモンスターに対し、攻撃せずに明日香のフィールドへと戻ってきてしまう。俺が多用する《速攻のかかし》の相互互換カードであり、速攻のかかしと違うところは、攻撃を無効にした後もフィールドに残ることだ。

 しかし肝心のバトルフェイズを終了する効果は何も変わらず、サイバー・エンジェル−茶吉尼−の攻撃は失敗に終わった。

「……ターンエンドよ」

「オレのターン、ドロー!」

 明日香は残念そうにターンを終えるものの、ギースのブラッド・メフィストは破壊して自分のフィールドにはサイバー・エンジェルが二体、という明日香に優勢な状況のはず。それでも明日香が不安がってしまう理由のは、デュエルをしている二人にしか預かり知らぬことなのだろう。

「オレは《二重魔法》を発動! 《身代わりの痛み》を墓地に送ることで、テメェの墓地の《死者蘇生》を頂くぜ!」

 自分の魔法カードを捨てることで、相手の墓地の魔法カードを奪う扱いの難しい魔法カード《二重魔法》。そのようなカードを採用するまでに、ギースのデッキは奪うことに特価しているのだろうか。

「そして《死者蘇生》を発動し、墓地から《ブラッド・メフィスト》を特殊召喚!」

 ……そんなことを考えている場合ではなく、明日香の魔法カードを使用してギースは自身の切り札たる《ブラッド・メフィスト》を特殊召喚する。闇のカードと呼ばれた血の悪魔は、再びフィールドに現れそのマントをたなびかせた。

「バトル! ブラッド・メフィストでサイバー・エンジェル−茶吉尼−に攻撃だ、カースド・ブラッド!」

「つっ……!」

明日香LP1000→900

 サイバー・エンジェルの中で最強であろうとも、サイバー・エンジェル−茶吉尼−の攻撃力はブラッド・メフィストには及ばず、そのダメージは現実の明日香にすら効力を及ぼす。100ポイント程度のダメージだったから良かったものの
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