第一層《はじまりの町》にて
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会の裏」
「よし、それじゃあまずはそこに行こーか」
子供たちは元気よく返事をした。教会の裏に行くと言った通り、十分な広さの庭があった。
「《オーダー》“木刀”!」
俺は木刀を二本作ると一本をエリーに投げ渡した。
「勝負は一本勝負。寸止めで取るか、木刀が折れたらそこで終了、いいよな?」
「ええ、夫だからって手加減はしないわよ?」
「上等!俺もかわいい嫁だからって容赦はしねーよ!」
「では・・・」
互いに構える、ギャラリーの子供たちは息を飲む。そして・・・。
「はじめ!」
「はぁあああ!!!」
同時に踏み込んだその足は目の前の相手へと向かっていく。そしてぶつかり合う木刀は高い音をたてた。子供たちからは歓声があがり、俺も闘技場でのエリーとの戦いを思い出す。
「フッ!でやッ!」
「セェエイ!!!」
互いにソードスキルをぶつけ合うなか、俺たちの口は笑っていた。無理もない、久しぶりの実戦でしかも全力でやれるのだから。
「はぁあああ!!!」
「うぉおおお!!!」
二人の渾身の一振りを放った木刀はぶつかり合うのと同時に折れてしまった。
「はあ、今回は引き分けだな」
「そのようね・・・」
折れた木刀はエフェクトとなって消え、周りからは拍手と歓声が巻き起こった。
「スッゲー兄ちゃんたち本当に強いんだな!!」
「ねえねえ!どうやったらお姉ちゃんみたいにカッコよく戦えるの?」
「教えて教えて!!」
子供たちは俺やエリーこれでもかと質問してきた。エリーに至っては完全に呆気にとられている。
俺は子供たちを静めてこう言った。
「どうやったら強くなるかは正直、俺もわかんねーんだ。でも、ひとつ言えることは・・・」
俺は、未来の剣士たちにこう言った。
「どうすればいいかじゃない。自分がどうしたいか考えろ!」
それを聞いた未来の剣士たちはただ、元気よく返事をした。
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