暁 〜小説投稿サイト〜
〜白と碧の翡翠〜
第1話
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「あなたとお兄ちゃんは、“二卵性双生児”と言う、双子なのよ。」

物心ついた時から、その事は聞いていた。

だけど。

お兄ちゃんは、綺麗な透き通ったような黒い目と、同じ様な色をした髪。
お母さんもお父さんも、妹も同じような色だった。

私だけが、
明るい茶色・・・飴色などと呼ばれるような髪に、
翡翠色と言われるような緑色の目をしていて、
家族との接点なんて、日本人めいた顔立ちしか無かった。

本当に家族?と聞いたら、“当たり前よ”と言ってくれた。
似ていないのに?と聞いたら、“姿だけが家族の証じゃないのよ”と言ってくれた。

疑問はまだ有耶無耶のまま。

◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆―――――――◆

小学生になって暫くした頃
お兄ちゃんが、“パソコン”と言う物を作っていた。
完成したら、“インターネット”と言う物に繋げるそうで、
繋いだら、インターネットで色々な事を調べたり、遊んだり出来ると言っていた。
だから、“完成したら、私にも使わせて”と言ったら、
“もちろん良いよ”と笑って言ってくれた。

そして、完成して、使い方を教わって。
“インターネット”で知った事が1つ。

お兄ちゃんにお礼を言って、お母さんに会いに行って、

「血液型占いをしたいから、お母さんの血液型を教えて!」

と言った。
お母さんは笑いながら

「私はO型よ」

と教えてくれた。
その言葉の示す意味。

親の一人の血液型がO型の場合、もう一人の親がどんな血液型であっても、
AB型の子供は生まれない(・・・・・)

私の血液型はAB型。O型の母から生まれる訳も無い子供。

「やっぱり、私はお母さんの子供でも、お兄ちゃんの双子の妹でも無かったんだね。」

そう言った時のお母さんの顔は、ずっと覚えてると思う。
驚きと、悲しみと、ほんの少しの諦めの様な顔。
忘れられないような顔。

「“インターネット”で調べたの。親と子の血液関係について。
 O型のお母さんから、私は生まれないよね。AB型だもん。」

そう続けて言った。昔からの疑問に、一番嫌な答えが返って来た。
分からなかった。6歳の自分では。その時の感情は。
悲しい様だけど、分かっていた事だったじゃないと諦めもあって。
似てる訳が無い。他人だったんじゃないか。

家族じゃなく、“他人”
家族の証が姿じゃないなら、何なの。“血縁”じゃないの?

「・・・ねぇ、教えてよ・・・本当はどんな関係なのか。
 私の本当のお母さんとお父さんはどんな人なのか。誰なのか。
 ・・・・今どうしているのか。」

殆ど、諦めていた声だった。もう誤魔化せない。
そう言った声で、私の質問に答えてくれた
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