ラインハルトに負けません番外編、女帝夫君エーリッヒ その1
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帝国暦489年8月4日
■銀河帝国 オーディン 宇宙艦隊司令部 ナイトハルト・ミュラー
「長官、次回の大規模訓練計画における我が艦隊の準備行程表が完成しましたので、宜しくお願いします」
「あっ、ミュラー提督ですか」
エーリッヒ・ヴァレンシュタイン、俺の士官学校時代からの友人であり、今は帝国軍の宇宙艦隊司令長官を務めているんだが、上の空のようにしているし、俺が来た事も今気がついたようだな。それに何だ顔色が悪いがまた体調不良なのか?フィッツシモンズ大佐も心配そうに見ているんだが、エーリッヒの奴、理由を言ってないんだな。仕方ない此処は俺が聞いてやるか。
「長官、お顔の色がすぐれませんが、お体の調子でもお悪いのでしょうか?」
エーリッヒがノロノロと顔を上げて俺の顔を見つめる。何だ、前に話した悪夢の時のような顔だが、まさかまた悪夢でも見てるのか、よくよく見れば目の下に隈が酷い状態で出ているな。
「ミュラー提督、いや少し……」
何だこの返答はエーリッヒらしく無いぞ、これは是が非でも聞き出さ無ければ駄目だろう。
「長官、お話があるので宜しいでしょうか?」
エーリッヒが目を見開いて、俺の事を見てくる。これはビンゴか。
「判りました、会議室へ行きましょう。フイッツシモンズ大佐、私はミュラー提督と相談しなければならない事が有ります。会議室に居ますので何かあったら呼び出してください」
「承知しました」
心配そうな顔で此方を見る、フイッツシモンズ大佐が答えるとエーリッヒが席を立って会議室に向かった。悪夢なら発散させてやるのが友人だろう。
前回同様、会議室に入ると適当な場所に二人で座った。
「どうした、何が有った、また悪夢でも見たのか?」
俺の言葉にエーリッヒが目線を下げながらポツリポツリと語り始めた。
「ナイトハルト、その通りさ」
「又か、お前は働き過ぎなんだ、それで今度はどんな夢なんだ?」
また悪夢か、前回は“グリンメルスハウゼン艦隊が解体されなかったらどうなっていたと思う?”だったが、今回は何だ? 戦争で負けた夢か? あるいはローエングラム伯のクーデターが成功した夢? まさか汚職に関わった夢とかじゃないだろうな。
「……何故か、私が女帝夫君に成った夢なんだが……」
「はあ?」
「……………」
「それって、エリザベート様かサビーネ様が女帝になったって言う話なのか?」
「いや、実は……」
帝国暦489年6月26日
■オーディン ノイエ・サンスーシ 黒真珠の間
俺エーリッヒ・ヴァレンシュタインこと佐伯隆次が何故か銀英伝の世界へ来てから早二十有余年、両親の殺害から、宇宙艦隊司令長官就任まで色々有ったが……何故こんな目に遭わなきゃ成らないんだ!
「
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