第38話 修学旅行−1日目− その3
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神楽坂の保護者の高畑先生が、「強いんだから中東の戦争を収めて来てよ」と言って、強制的にアメリカかどこかの国の命令で戦争に行かされたあげく、「いつの間にか死んでたよ」とだけ言われて、納得いかず調査したら、命令した国の攻撃に巻き込まれて死んでたなんていう結果が出て、その国と仲良くしたいと思う?」
「それは………」
「しかも東の長が親書を持たせたのは9歳のガキ。勘違いしてるかも知れんけど、ネギは東の人間じゃなくてウェールズの人間だからな。なあ。神楽坂でもわかるだろ。こじれにこじれた西と東の関係に、別の組織の正式な魔法使いでもない魔法使い見習いのこじれる原因となった9歳のガキが、親書を持って来たらどう思うかを」
「それは………」
「目を逸らしちゃダメだよ。ネギが親書を持って来ると言うのはそういうことなの。しかもそのそもそもの原因である今の長は、そう言った現実を無視して動いてるのが現状」
「そんなことはない! 詠春様は決してそんなことはしない! 騙されてはいけません、アスナさん」
騙すも何も本当のことしか言っていないんだが。
「ええっ。刹那さん?」
いきなり大声をあげた桜咲に驚いて声を出す神楽坂。
「騙すも何も、オレは本当のことしか言っていない。嘘だと思うなら自分で調べればいいさ。ちなみに近衛のこともそうだ」
「木乃香のこと?」
「お嬢様がどうした!」
「簡単なことだ。近衛は魔法に関係させないために麻帆良に移されたんだよな」
「ああ、そうだ」
「そもそもそこからしておかしいんだよ」
「どういうことよ?」
「神楽坂は知らなくても当然だが、近衛家というのは遙か平安の頃から日本という国家を呪術的に裏から支えてきた家柄なんだよ。ちなみに平安京が造られたのは何年かわかるか? 神楽坂」
「な、ななひゃくじゅうねんよ」
「残念、それは平城京だ。正解は794年だ。もうちょっとしっかり勉強しろよ。っと話しがずれた。つまり近衛家の人間である限り魔法に関わるというのは、平たく言えば家業なんだよ。それを魔法に関わらせないなんてそこから間違っているんだよ」
「そんな………。魔法使いの家に産まれたら魔法使いにならないといけないっていうの? そんなのおかしいわよ!」
「違う。間違っているぞ、神楽坂。オレは魔法使い、厳密に言えば呪術師になるが、呪術師に近衛がならないといけないとは言っていない」
「む。どういうことよ」
「だから言ったろ。近衛家に産まれたからには魔法に関わらないといけないと言っただけで、呪術師にならないといけないとは言っていない。つまりあくまでも選択権は近衛にあり、魔法を知った上で関わる関わらない、呪術師になるならないを選択するべきなんだよ。それが近衛の家
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