第一物語・後半-日来独立編-
第五十一章 その場所へ想い走らせたならば《2》
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入り、全体の崩壊へと繋がった。
砕け、塵となす盾。
セーランは雷撃を受けずに済んだ棒が、戦闘艦の外装甲に突き刺さっているのを見て、新たに棒を創り出し、放った。
これもまた十数本へ割れて、真っ直ぐに行く。
「何をやっているのか分からないけど、無駄に内部流魔は消費するものではないわ」
「無駄かどうかはそのうち分かるさ」
棒は実之芽に向かい、実之芽は今いる位置から別の戦闘艦の甲板へ飛び移り、誰もいない空間を棒は通り過ぎて向こう側にある戦闘艦へと突き刺さる。
甲板に着地しようと、落下の軌道に入った時だ。
実之芽は着地する甲板状に映る、無数の影を見た。
上から何か来る。
見上げたら目に映るものは、
「また流魔操作で創られた棒……それも群れで」
垂直に立って、重力に従って落ちてくる。
百はいっているだろう。
だが焦る必要は無い。
幾ら数で押そうとしようも、この力の前には無意味だ。
雷は上から来るのだから。
雷光が空に走り、雷鳴が鳴る。
起こるのは雷だ。
打ち付けるように雷が蒼天より来たり、無数の棒を打ち砕いた。
そのまま実之芽の元へと落ち、大きな冷たい音を響かせた。
激しい雷光にセーランは目を細め、期を伺ったように光のなかから実之芽が拳を握り締め現れた。
双腕に雷を集中させて、打撃を行う用意をしながら。
逆光のせいで姿が見えない。
危険だ。
判断し、背後へ流魔線を伸ばし、縮めて待避した。
予想通りの行動に実之芽は、
「雷線!」
左腕を伸ばし、拳から雷が放たれた。
一直線にセーラン目掛けて。
雷は雷光の残光に同化し、視覚からは姿を捕らえることは困難。
判断出来ず、正面から、眼前に迫るまでセーランは反応出来ずに雷撃を受けた。
雷鳴が鳴り、衝撃で後ろへと吹き飛ばされる。
流魔線を繋げた戦闘艦の外装甲に背中から当たり、地面へと落ちる。
痺れを感じながら、落ちる身を守るために流魔操作によってクッションをつくる。
長方形のクッションに身体は落ち、弾む勢いを利用して地面へと足を着く。
着地した瞬間。
クッションが破裂した。
セーランが行った行為ではない。
「面倒だよ……本当に!」
「それは結構なことね」
落下してきた実之芽の右拳によって、打撃されたクッションが衝撃を吸収出来ずに破裂したのだ。
破裂の際に起きた風を受け、正面にこちらを向いて立つ実之芽を見た。
直視し、視線を外してはくれないようだ。
無数の棒は先程の雷撃でやられたが、幾つかは欠けながらも甲板上に突き刺さっている。
しかし実之芽は無傷で、特に異常は見られなかった。
一吐きし、熱を吐き出すセーラン。
「お前は宇天長は救いに行かないのな」
「無駄話しには
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