暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
デリオラと月の雫
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。つーか、どうやってデリオラの封印場所を見つけたんだ・・・」
「封印場所?」
「ここで封印されたんじゃないの?」

ルーが首を傾げる。

「コイツは北の大陸の氷山に封印されていた」
「え?」

ルーシィが聞き返す。

「10年前・・・イスバン地方を荒らしまわった不死身の悪魔。俺に魔法を教えてくれた師匠『ウル』が命をかけて封じた悪魔だ」

その言葉にグレイ以外の4人が驚愕で目を見開く。

「この島の呪いとどう関係してるのか解らねぇが・・・これはこんな所にあっちゃならねぇモノだ」

グレイの握りしめた右の拳から冷気が溢れ出る。

「零帝・・・何者だ・・・ウルの名を汚すつもりなら、ただじゃおかねぇぞ!」

そう言ったグレイは今まで見た事のない様な怒りの形相だった。

「お前の師匠が封じた悪魔だァ?」
「あぁ・・・間違いねぇ」
「元々北の大陸にあった物がここに運ばれた?」
「もしかして島の呪いって、この悪魔の影響なのかしらね」
「考えられなくもねぇ。この悪魔はまだ生きてるんだしな」
「おし」

ナツはニッと笑った。

「そーゆー事なら、この悪魔をぶっ倒してみっか」
「アンタは何で力でしか解決策を思いつかないのよ」

右腕をグルグル回して準備運動をするナツを呆れたように見るルーシィ。
そんなナツをグレイは一睨みし・・・。

「どぅおっ!」

勢いよくナツを殴った。

「グレイ!テメェ・・・何しやがる!」
「火の魔導士がこれに近づくんじゃねぇ。氷が溶けてデリオラが動き出したら、誰にも止められねぇんだぞ」
「そんなに簡単に溶けちまうものなのかよ!」

ナツに怒鳴られ、ハッとするグレイ。

「大丈夫?」
「おい!殴られ損じゃねぇか!凶暴な奴だな」
「ナツが言っても説得力ないよ」

腹を立たせているナツにルーが呟く。

師匠(ウル)はこの悪魔に『絶対氷結(アイスドシェル)』っつー魔法をかけた」
絶対氷結(アイスドシェル)・・・アルカから聞いた事あるよ。それは溶ける事のない氷なんだよね」
「あぁ。いかなる爆炎の魔法をもってしても溶かす事の出来ない氷だ」
「でも、溶かせないって知っててどうして持ち出したんだろ?・・・はむはむ」

どこから取り出したのかメロンパンを頬張りながら呟くルー。

「知らないのかもね。何とかして溶かそうとしてるのかも」
「何の為にだよっ!」
「し、知りませんけど・・・」
「グレイ。顔怖い」

すごい形相のグレイに怯えるルーシィ。
ルーはメロンパンの袋をもう1つ開いてかじる。

「ちっ!くそっ・・・!調子でねぇな。誰が何の為にデリオラをここに・・・」
「零帝、でしょ?そんな別名を持ってる人、僕は知らないよ・・・むぐむ
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