第94話
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レンダはふと、上の窓を見つめる。
その窓の中には赤い瞳がフレンダを見つめていた。
それを確認したフレンダは声をあげる。
「む、麦野・・・何かいるよ。」
「そんな事は分かってるわよ。
ちらほらと、赤い瞳を何回か見かけてるし。」
その時だった。
近くの窓が内側から破壊され、窓から何かが出てくる。
上半身は何も着ておらず、下半身はボロボロのジーパンを穿いている。
手には人間の手ではなく鋭いかぎ爪だ。
足は蹄のような足と、獣じみた顔を持っていた。
人間に似ているがどこか人間ではない、土色の肌をした怪物がそこにいた。
その眼は赤く、どこか血走っているように見えた。
さらに、興奮しているのか息がとても荒い。
「な、何ですか、あの超化け物は!?」
「学園都市が開発した生物兵器か?」
「それにしてこんなスラム街にいるのはおかしいと思うがな。」
怪物は足に力を込めると、一番前にいる麻生に向かって飛び掛かってくる。
鋭いかぎ爪が麻生の顔面に向かって振り下ろされるが、それをかわすと右足を軸にして回し蹴りを怪物の腹に蹴りつける。
数メートル吹き飛ぶ怪物だが、すぐに立ち上がり、こちらに殺気を向けてくる。
それが合図だった。
次々と窓や路地から同じような怪物が何体も現れる。
「囲まれると厄介だ。
走るぞ。」
麻生はとりあえず、前に向かって走る。
麦野達も麻生の後について行く。
麻生が蹴り飛ばした怪物の顔を麻生は右手で払いのける。
横の建物の壁に打ち付けられる。
その間に四人は通路に沿って、走って行く。
しかし、どこを走ろうにもどこからともなく怪物が現れる。
何とかかわしつつ、逃げていると麻生の携帯が鳴り響く。
走りながら、ポケットから携帯を取り出す。
「麻生さんですか?
自分です。
今はスラム街にいるのですが、妙な怪物に襲われています。」
「こっちも同じだ。
お前はあの化け物が何かわかるか?」
「ええ、おそらくあれは食屍鬼と呼ばれる怪物ですね。
ですが、自分の知っている食屍鬼はもう少し人間に近い化け物なのですが、あれは人間とはかけ離れています。」
「結標はどうしている?」
「顔を真っ青にしながら後ろついて来ています。
まぁ、あんなモノを見たらその反応しても仕方がありません。
それよりもさっき麻生さんが話した術者ですが、おそらくこの食屍鬼も操っている可能性が高いです。」
「なら、術者を倒した方が早いか。」
「そうですね。
術者に関しては麻生さんに任せます。
頼りにしていますよ。」
そう言って通話が切れる。
いつもの麻生なら面倒事を押し付けられて、やる気を無くす所だが今はそうも言
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