第四十六話 希望
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とは無視するから』
「そんな! こうしている間に遼ちゃんは……」
なのはがアリシアに詰め寄る。
それにフィリーネ代りに話す。
『言いたいことはわかるけど、現状遼と闇の書、両方を相手にできるほどの戦力はないわ、だからこそ先に闇の書を停止させるのよ』
「でも、でも……」
なのはは悲しげにうつむく。
自分の友達が命懸けで戦っているというのに、何もできない自分が恨めしかった。
「なのは……」
「フェイト、ちゃん?」
フェイトは優しくなのはを抱きしめる。
「今は、闇の書を止めることだけを考えよう、こうしている間にも遼の寿命は減っていてる、それに、闇の書が止まれば、遼も止まるはず」
それを聞いて、なのはは強く杖を握り締める。
「そう、だよね、今、私ができることをやらないとね」
その瞳には強い意志の光が宿り、彼女にもう迷いはなかった。
『作戦時間は20分、これを過ぎたら遼は人じゃなくなるわ、それまでに終わらせなさい』
『それで、今から闇の書を停止するためのプログラムをデバイスに送るよ、ただし、飛行程度ならともかく、防御魔法とか使っちゃうと中断されちゃうから、気をつけて!』
アリシアの声が途切れると、それぞれのデバイスに数字が表示される。
「大体二分、といったところか……、それまで彼女がもつといいんだが」
クロノがそうつぶやく。
「今のところ互角だよ、……僕たちが入る余地がないくらいにね」
ユーノが二人の様子を冷静に分析する。
遼と闇の書は共に目にも止まらぬ速さで動き、互の体をぶつけ合っている。
下手に援護しようものなら、かえってそれが足でまといになることは、ここにいる全員がわかっている。
それを一番恥じていたのは、刃だった。
同じ転生者でありながら、遼と刃とでは戦闘能力には差がありすぎる。
それは今まで能力に頼り、訓練することを怠った結果だった。
いくら半年前から鍛え始めたと言っても、幼い頃から努力し続けている遼には及ばない。
結果、見ていることしかできない。
フェイト以上の速さで戦う彼女についていくことができない。
それが、何より歯がゆかった。
『マスター!』
ベイオットの叫びで、我に返る。
今すぐにでも闇の書が、広範囲攻撃を仕掛けようとしている。
闇の書の攻撃はビルの陰にいようとも、容赦なく襲いかかる。
迷っている暇はなかった。
「クロノ!」
「! 了解した!」
二人は、なのはたちの前に立つと防御魔法を展開する。
「クロノ君!? それに刃君も!?」
「は! 俺は元々そういうのには向いて
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