マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
統一デュエル大会
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と噂されているユウキ。
「『これは、ゲームであっても遊びではない』……そんな世界はもう終わったし、あの世界でも滅多な事では本気にはならなかった。今さら出すのも不公平というものだ」
「……ま、悪いとは言わんがな。何にせよ、負けるなよ?遊びであっても『勝負』なんだから」
「分かってるよ」
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午後12時。アルン中央闘技場。
アルヴヘイム首都のアルンには計3つの闘技場がある。
中央エリア、東エリア、西エリアの3つは今まで大小様々なデュエル大会で使用され、高いユルドを払えばプレイヤーが貸し切ってデュエル大会を催す事も可能だ。
例としてはギルド間問題の簡潔な解決策として、逆に親善試合としても使われた。
予選、ブロック決勝トーナメントは東西エリアに別れて行われる。決勝戦は中央エリアの闘技場にて行われ、それはMMOストリームで生中継という熱の入り方だ。
ザ・シード連結体に於いて人気MMO上位常連たるALOの最強プレイヤーが決定するその放送には比喩でも何でもなく『VR全世界』が注目していると言っても過言ではない。
―閑話休題―
大会エントリーを済ませると、暇を持て余した俺は大会前にいつものメンバーで落ち合う事になっているNPC経営のオープンカフェに一足早く向かう事にした。
「……ん?」
そのオープンカフェの前で人だかりが出来ているのを見つけ、何事だろうと覗き込む。
そこには――――
「んー、弱っちいな」
赤銅色の巨剣を背に背負い、濁酒を煽りながら足下の色とりどりのエンドフレムを見下ろしている、レプラコーン。いつもの解れ気味な半纏ではなく一目で古代級クラスだと分かる漆黒に金色が散りばめられた和装。
「……ハンニャ」
「うん……?おぉ、旦那!どうしたんでぇ?」
「余興のデュエルか?」
ハンニャは首を振った。
「んにゃ、旦那にゃまだ言ってなかったな」
そして、戦いたいやつが2人もいる俺にとって、あまり有り難くない言葉が放たれた。
「この大会、俺も出ることにしたんでぇ。コイツはただの準備運動さ。……あんまし役に立たなかったが」
「……みたいだな」
いつしか、人垣は俺とハンニャを囲うように陣形を変えていた。プレイヤー達の視線は中心の2人に注がれ、やがて周りに静寂が訪れた。
双方とも表情に笑みを湛え、その意味を自ずと悟る。
チリッ、とうなじに緊張が走った途端、ハンニャと俺は得物を互いの首筋に添えていた。数瞬前までの互いの距離は5メートル強、双方とも長物武器とはいえ、僅かな間で互いの急所を一撃で刈り
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