第91話
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ああ〜だるい、と麻生は心底面倒くさそうな表情を浮かべていた。
あの施設で海原はこう言った。
「あなたでしたらそこいらの車よりも早く移動する事が出来るでしょう?
それなら、もう片方の施設に向かって首謀者を捕まえてきてください。
自分達はこの後始末を終えてから向かいます。」
にっこりと素晴らしい笑みを浮かべながら海原は麻生に伝えた。
状況が状況なので拒否する事もできずに能力を使って此処まで来たのだ。
入り口を探すのも面倒だったので壁を壊して入ろうとしたのだが、タイミングが良いのか悪いのかもう一つの暗部の組織のメンバーが殺されかけたのを麻生が邪魔をしたようだ。
「あの男・・・誰なのって訳?」
「さぁ・・・・敵でない事を・・・・超祈ります。」
麻生は周りを見渡すとこめかみに手を当てて膝を折っているのが二人と、うつ伏せに倒れているのが一人、後は腹を押えながら立ち上がろうとしているのが一人。
これが海原の言っていたもう一つの暗部の組織のメンバーなのだろう、と麻生は適当に考える。
すると、マシンガンを構えていない男が麻生に話しかける。
「君は何者だ?」
「いつもなら通りすがりの一般人Aとか言いたいが今回だけは変えよう。
この施設と別にあるもう一つの施設にいる暗部の組織のいわば助っ人だ。」
麻生の言葉を聞いて銃を構えている男達の間に動揺が広がる。
それもその筈。
麻生の言葉が正しいのなら、対能力者用のAIMジャマーを使ってさらには装備を整えた十五人を相手に生き残ったというの事になる。
麻生の事を能力者だと決めつけている男達はこう思ったのだろう。
この男にAIMジャマーは効かないのでは?、と。
その同様に気づいたのか、首謀者である八雲は周りに言い聞かせる。
「落ち着け!
どうせ、この男はもう一つの暗部の組織とは別行動を取っていたのだろう。
現にあそこに転がっている超能力者にはちゃんとAIMジャマーは効いている。
どうせ、この男にももうじき効いてくるはずだ。」
八雲の言葉を聞いた男達は少しずつ動揺が収まっていく。
八雲は麻生が開けた壁の穴を見る。
どうやら、麻生一人だけしか来ていない事を確認すると余裕の笑みを作る。
「君一人だけかい?」
「そうだ。
それがどうかしたのか?」
「随分と余裕だね。
よほど自分の能力に自信があると見える。
だが、お仲間さんから連絡がいっていないのかな?
私達の手にはこれがある事を。」
八雲は視線で研究者に合図を送る。
それを感じた研究者はAIMジャマーの出力を上げる。
それに伴い、麦野達の頭痛もひどくなる。
しかし、麻生はそんな状況の中顔色一つ変えない。
「おや?その様子だとあま
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