第三十七話 俺って役に立つだろう
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が……」
『なるほど、それは有るかもしれん』
益々リヒテンラーデ侯の表情が渋くなった。ラインハルトが俺を軽蔑するかのような目で見ている。貴族達にペコペコして、そう思っているのだろう。お前は表情が読み易いんだ、いや隠すのが下手なんだ。アンネローゼに守られてきたからな、多少の事は許されてきた。だから駄目なんだ。
「交渉しておけば例え失敗に終わっても助けようと努力した、見殺しにしたわけではないと言えます。駄目元という言い方はおかしいですが交渉するべきではないでしょうか、尽力するべきだと思うのですが……」
『なるほど』
リヒテンラーデ侯がウンウンと頷いた。役に立つだろう、俺は。
『分かった、司令長官に交渉は任せよう。但し、ブラウンシュバイク公の助命は認められん。それとブラウンシュバイク公爵家、リッテンハイム侯爵家の存続もだ』
「つまり新たに爵位と領地を与える、そういう事でしょうか?」
『うむ』
「分かりました。では小官が交渉に入ります」
それを最後に通信は終了した。ガンバレぐらい言えよ、頼むぞとか。
さてと、これで向こうと交渉が可能になった。勝手にやると内通とか疑われそうだからな。いやそれを理由に粛清される可能性も有る。こういうのは公明正大にやらないと……。
「フェルナー大佐」
「はい」
「私の部屋に来てください」
仕上げにかかろうか、フェルナー、この内乱の仕上げに……。
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