第三十七話 俺って役に立つだろう
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るのは止めなさい。傲慢ですよ」
俺の言葉に皆がバツの悪そうな表情で頭を下げた。
こういうのはきちんと言っておかないとな。ブラウンシュバイク公を逃がした事で責められる人間はいないよ。原作では結構各個撃破で貴族連合軍の戦力を削いでいる、それとメルカッツが居たからブラウンシュバイク公は逃げた。こっちではそれが無い。メルカッツは居ないが兵力が多い分だけ撃ち漏らしが有ったという事だ。ファーレンハイトもビッテンフェルトも良くやった。
全軍に残敵の掃討を命じるとオーディンのエーレンベルク軍務尚書、シュタインホフ統帥本部総長、リヒテンラーデ侯に連絡を取らせた。スクリーンに三人の顔が映った。
『何用かな、ヴァレンシュタイン司令長官』
「本日、貴族連合軍十五万を超える兵力と会戦し勝利しました。ブラウンシュバイク公は撃ち漏らしましたがリッテンハイム侯は戦死、十万隻以上を撃破したと思います」
俺がエーレンベルクに答えると三人は驚いたようだ。“ほう”とか“なんと”とか言っている。艦橋の人間はそれを見て嬉しそうにしている。
『リッテンハイム侯が戦死したか……。良くやったと言いたいがブラウンシュバイク公を打ち漏らしたのはいただけぬな』
「申し訳ありません、統帥本部総長。ですが貴族連合軍は大きくその戦力を失いました。内乱の終結も目処がついたと思います」
『うむ』
素直に褒める事は出来ないのかな、爺さん連中は。もしかすると面白く無いのかもしれん。孫みたいな歳の俺に嫉妬してどうするんだよ。
「一つ確認しておきたい事が有ります。アマーリエ様、エリザベート様、クリスティーネ様、サビーネ様ですが如何いたしますか。このまま反逆者の一味として死を迎えさせて宜しいのでしょうか?」
俺の問い掛けに三人が顔を見合わせた。三人とも口を開こうとしない。艦橋の人間も皆顔を見合わせている。
「小官が心配する事ではありませんが陛下は未だ御幼少、当分御世継ぎは望めません。皇族の方々が少ない事を考えますと……、御指示を頂きたいと思います」
暗に助けるべきではないかと言うとスクリーンから唸り声が聞こえた。三人とも渋い表情をしている。
『卿の言いたい事は分かるが素直にこちらに引き渡すかな? 連中にとっては自分達の正義の拠り所でもあるはずだ』
リヒテンラーデ侯が渋い表情のまま首を傾げている。
「難しいとは小官も思います。おそらく正面からブラウンシュバイク公に申し入れても周囲が許さないでしょう。裏から極秘で交渉するしかないと思います」
「……」
まだ答えは出ない。迷っているな、娘はともかく母親は煩いと見たか。娘二人だけに絞れば良かったかな。もう一押しするか。
「このまま何もせずに見殺しにしますと後々非難を受ける事になるかもしれません。そう思って御相談しているのです
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ