第90話
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腹に向かって突き出す。
真っ直ぐ向かって来ていた勢いと、突き出される勢いが加わり、麦野はコンクリートの地面に転がる。
「君は能力以外でも腕に覚えがあるようだが。」
八雲は肩を回しながら、腹を押えて倒れている麦野に近づく。
「君達こそ私達を甘く見るなよ。
能力というハンデがなければ君達は少し腕っぷしが強い女だ。
そこいらの不良には勝てても、実戦経験や訓練を積んだ私には到底勝てないよ。」
今度は脇腹を思いっきり蹴り上げ、絹旗達のいる所まで蹴り飛ばす。
「ちょ・・う・まずいです。
このま・・まじゃあ・・・・・はちのすです。」
「わたした・・・ち・・しんじゃ・うってわけ?」
絹旗はこの状況をどうやって打破するか考えるが、頭痛が考える事を邪魔をして上手く考えられない。
麦野は脇腹を押えながら、ゆっくりと起き上がる。
「おまえ・・・は・・・わたしがぜったいに・・・ころす。」
「まずはこの状況を抜け出してから言うんだね。
もういい、射殺しろ。」
八雲は麦野達に背負向け、そう指示する。
それと同時にマシンガンを持った男達は照準を合わせ直す。
その時だった。
ドオオオン!!!!という音と同時に施設の壁が吹き飛んだのだ。
いきなりの爆発にその場にいた全員が驚く。
マシンガンを構えた男達は、粉塵が巻き上がる土埃のカーテンに向けて照準を合わせる。
その土埃のカーテンから声が聞こえた。
「あの野郎、絶対に俺に恨みかなんか持っているだろう。」
それは男の声だった。
徐々に土煙のカーテンが晴れていく。
そこには一人の男が立っていた。
黒のロングコートに黒のジーンズに黒のスニーカー。
髪は短く色は白髪だ。
男は頭をかきながら独り言を呟いていた。
「まぁ、海原の予想も当たっていたみたいだしな。
さっさと終わらせて帰るとするか。」
面倒くさそうな表情を浮かべた男、麻生恭介が土煙のカーテンからそう呟きながら現れたのだった。
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