暁 〜小説投稿サイト〜
Black Engel and White Engels
魔法少女はじめました
エイブル・アーチャー1999
「その日、公園にて」
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狐状の生物を追い回して、攻撃を加えています。
百合ちゃんは、がれきをうまく防御壁に使用しながら、徐々に戦闘現場に近づいています。
「ったく、何やっているのよ!」
私は思わず毒つきました。なんで百合ちゃんは戦闘現場(バトルフィールド)に近づいているのでしょうか?いや、その理由はわかります。多分、あの狐状、ええ、もう狐でいいでしょう。あの狐を助けたいのでしょう。今のところ、異形の生物の攻撃を躱すのが精一杯で反撃はできていません。

「だからって、できることとできないことがあるでしょう!なんで高校2年にもなって、それがわからないのよ!」
私のその毒つきにリニスが反応します。

「絵里ちゃん。落ち着いて。百合ちゃんは今の自分の状況に、あの子を重ねているのじゃないかな?私もそうだったからわかるけど、仮に念話が使えたとしたら、この世界で自分一人だと感じている。そして、みんな優しくしてくれるけど、両親の愛情という根幹部分があまり満たされていない。愛情に欠落した者同士が、自然とひかれ合っているのじゃないのかな?」
「だから、余計腹がたつのよ!」

そう言って、あたしは自分のイージスから01式軽対戦車誘導弾(LMAT)を取り出しました。
「判っているわよ!そんな事。だからみんな百合ちゃんの事心配だし、蒔絵のことも心配なのよ!両親の愛情という根本の問題だって、あたしも知っているわよ!あたしだってそうだったのはリニスだって知っているでしょう?根本が埋まらないのは分かるわよ。でもね、だからって、それを相手に重ねて、自分が危険(バカ)をしてどうするのよ!」
正直、私は怒っていました。百合ちゃんでもリニスにでも、あの狐に対してでもありません。
あの異形の生物と、それを粉砕できる力がありながら黙って見ている私に対してです。

「これから、あの狐を援護します。LMAT、発射!」
発射機から飛び出した対戦車ミサイル(ATM)は正確に誘導されて異形の生物に着弾しました。しかし、一応火薬量は通常の10%程度に抑えてあります。
「どう?」
私はリニスに着弾確認を求めました。
「命中確認。生物、活動を停止・・・いや、僅かながら活動しています。百合ちゃん、狐に接近。回収の後元の場所まで後退中。」

まぁ、火薬量を調整したので粉砕できるとは思っていませんでした。ただ、あの運動性能の10%とはいえ火薬による爆発を生き延びるとは、やはり異形の生物です。
「狐、百合ちゃんと交信中。状況は不明。」
「ありがとう。」
そう言って、私はさらに倍率を上げて狐と百合ちゃんの様子を見ます。

「百合子、君と契約して、魔法少女になって世界を救って欲しいんだ。」
と、突然10時間前にであったばかりの狐に、日本語で求められた場合どのような対応をするのが正解なのでし
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