暁 〜小説投稿サイト〜
Black Engel and White Engels
魔法少女はじめました
エイブル・アーチャー1999
「その日、公園にて」
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
らい薄暗い、そう、イメージ的にはドイツの黒い森(シュヴァルツヴァルト)のような鬱蒼とした森の中に、その建物は立っていた。
その館の、灯りのついていない一室で、数名の人の形をしている生物と、数体の異業の形をした生物が話をしている。

「だから、まずは“ラファエル”を狙うべきだ。やつは長男で王位継承権を持っている!」
「いや、“ウリエル”を狙うべきだ!やつは次男ながらその単身での攻撃力は侮れない!」
「いや、“ミカエル”をこそ狙うべきだ!奴は三男でだから、関心が手薄なはずだ。そこを持って拘束し、王国への見せしめにするべきだ。」
「そもそも、“ガブリエル”はどこに行ったのだ?まずやつを探すのが先ではないのか?」
意見は百家争鳴となり、3つの派閥に分裂しつつある。

傍から見れば、全力を挙げレ3つを各個撃破すれば良いものの、人類社会であっても、はたまた異形の世界であっても、意見が分裂すればそれに応じた派閥ができるのは常であるらしい。そして、その異形の者たちは3つの派閥に分裂した。それは、後に行政府情報庁(IA)によって、A(アルファ)B(ぶらぼー)C(チャーリー)と区分されることなる。

当時のIA工作活動執行担当官エドワード・ランズデール曰く、
「3派閥合同で行動された場合、当方の対処はなかなか苦慮したであろう。」と手記を書き残している。

2100・東京都府中市
私たちは食事を終えると、リビングにあるテーブルで紅茶を飲みながら、今日あった話あれこれについてお喋りをしていた。
「でね、パパったらひどいのだよ。私だけで旅行に行くのは反対だって。」

そういう絵里の顔を見ていると、家族っていいなと、やっぱり思ってしまう。
確かに、絵里は幼馴染だし、久瀬のおじさま・おばさまには良くしていただいている。絵里の双方ともご健在の御祖父さま・御祖母さまにも実の孫のように良くしてくださっている。でも、やっぱり他人だなとふと感じてしまう。
「あ、百合ちゃん。また他人行儀なこと考えていたでしょ?」
また絵里に指摘されてしまった。

「ダメだよ。うちの家族全員、百合ちゃんのこと実の孫だと思っているし、あたしも百合ちゃんのこと、双子だと思っているのだから。」
「その中には蒔絵も入っているでしょう?」
「そう!だから本当は私たちって三つ子なのだよ。」
そう言って、絵里ちゃんは微笑んだ。
私は、その笑顔に微笑みを返した。
「ありがとう。絵里ちゃん。」

その時、私の頭の中にあの石神井公園で聞いた声が聞こえてきた。
「誰か、誰か助けて!」
すぐにでも駆けつけたいが、ここで私が出て行ったら、絵里ちゃんが不審に思うだろう。
その時、私は家に買い置きしていたベリープディングの材料を切らしていることを思い出した。この時間な
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ